F1オーストリアGPの決勝1周目、ターン3でメルセデスのアンドレア・キミ・アントネッリがレッドブルのマックス・フェルスタッペンに接触。両者は早々にレースを終えることとなった。予選では黄旗により不利なグリッドとなったフェルスタッペンだが、スタートは好調だった。だが、ターン3でアントネッリに追突され、31戦連続入賞記録はここでストップした。

アントネッリはターン3でイン側のリアム・ローソンを避けようとした際に、ブレーキバランスの設定ミスで制動を失い、結果的にフェルスタッペンに衝突してしまった。全責任はアントネッリにあるとされ、次戦イギリスGPではグリッド3つ降格のペナルティが科された。

接触直後、アントネッリは手を挙げて謝罪の意を示し、フェルスタッペンも冷静に対応した。レース後もオランダ人王者はアントネッリの才能と誠意を称えた。

チーム代表のクリスチャン・ホーナーもフェルスタッペンと同様に理解を示した。アントネッリはクラッシュ後、レッドブルのモーターホームを訪れ、フェルスタッペンに直接謝罪したという。今回のミスはブレーキバランスの設定を誤ったことに起因すると説明されている。

ホーナーは、ブレーキバランスをもう少しフロント寄りにすべきだったとし、アントネッリにとって大きな教訓になったと語った。ミスは計画していても起こるものだとし、メルセデス代表のトト・ヴォルフもアントネッリを擁護した。

フェルスタッペン:「スタートは良かった。ここ2戦に比べれば確実に改善できたと思う。でもターン3でレースは終わった。あの時点では何が起きたのか分からなかった。かなりのダメージを受けて、マシンがほぼ停止寸前だった。昨日の予選も運が悪かったし、今日もそうだった。でもこの週末を振り返れば、ペース的にも僕らが望む位置にはいなかったと思う。だからしっかり分析して、次の週末はもっとポジティブな内容にしたい」

アントネッリ:「とても不運だった。ターン3に入る前にブレーキ設定を変えるべきだったと思う。スタート自体は普通で、ポジションをキープしようとしていた。でもブレーキを踏んだときにリアが完全にロックして、マシンを失ってしまった。そして減速できなくなってローソンにぶつかりそうになって、避けたら今度はフロント左がロックして止まりきれなかった」

ホーナー:「忘れたいホームレースだった。昨日の黄旗の影響で、クラッシュゾーンに入らざるを得なかった。そしてキミがターン3で派手にマシンを失った。マックスはすでにコーナーを抜けてアクセルを踏み始めていたところで、後ろから突っ込まれた。完全なキミのミスだったが、彼は謝罪してきた。我々にとっては午後を殺されたレースだった」

ホーナー:「マクラーレンと戦えるペースはなかったと思う。ランドにはおめでとうと言いたい。最初の数周のバトルは楽しかった。フェラーリとはいい勝負ができたはずだし、ジョージは全くペースがなかったから、そこに食い込めたと思う。でもターン3でリタイアではどうしようもない。マシンのダメージが大きくないことを祈るばかりだ」

ヴォルフ:「こういうミスは起こるものだ。リヤがブロックした。キミの責任なのか、システムの問題なのか、データを見ていないから分からない。でも起こり得ることだ。マックスとレッドブルには不運だったが、それもレースだ」

フェルスタッペン:「とにかく何が起きたのかを尋ねた。僕の周りにいたのは彼だけで、ホイールがぶら下がっていたから、間違いなく彼がぶつかったと分かった。その後、映像を見て状況が分かった。こういうミスは誰にでもある。キミは素晴らしい才能を持ったドライバーだから、この経験から学ぶはずだ。もう彼とは話をしたし、僕にとってはもう終わったことだ。誰も故意にやるわけじゃないし、起こり得ることだ」

アントネッリ:「彼が何を言ったかは聞こえなかったけど、謝罪したし、後で話してもう一度ちゃんと謝りたい。僕のチームにも本当に申し訳ない。自分のミスでレースを終わらせたし、マックスのレースも終わらせてしまった。それは僕が望んでいたことではない」