フェルナンド・アロンソが、F1公式の「パワーランキング」に対し辛辣な批判を展開した。このランキングは、F1の専門家による5人の審査員がレースごとにドライバーを採点し、車両性能を排除した評価を行うという形式で進められている。しかし、アロンソは自身がランキングに入っていないことに不満を露わにした。

アブダビでスペインの記者に対し、アロンソは次のように語った。

FA: 「メディアでこのランキングを見ることがある。でも全く無意味だと思う。自分が何位にいるのかも知らない。トップ10を見ても、僕の名前はない。ワールドドライバーズチャンピオンシップで9位にいるのに、7番目か8番目、あるいは9番目に速い車で戦っているんだ。」
FA: 「それにランド(ノリス)とマックス(フェルスタッペン)が同じポイントになっているのを見て、完全に興味を失った。」


苦しいシーズンを振り返る

アストンマーティンに所属するアロンソは、開発が停滞したシーズンを戦い抜いた。43歳という年齢ながら、24戦という過酷なスケジュールをこなしつつ、ドライバーズランキング9位という結果を残した。しかし、アロンソは疲労を隠さず、ポストシーズンテストへの参加を見送ることを明かした。

FA: 「シーズンが終わって嬉しい。みんなにとって非常に長い1年だった。24戦はとても過酷で、特に最後の3連戦は大変だった。
マックスにとってはラスベガスでタイトルが決まっていたし、僕たちにとっては夏の時点でチャンピオンシップの5位が確定していて、前にも後ろにも何もない状況だった。最後の7~8戦は、何も争うものがないと本当に長く感じる。」

また、来シーズンに向けての期待を語りながらも、今は開発以外にできることは少ないと冷静にコメントした。

FA: 「来年のプロジェクトに取り組んでいるけど、それ以外にはあまりやることがない。冬が明けたら、もっと競争力のある状態になっていることを願っている。」


アロンソのモチベーションと次なる挑戦

キャリアの終盤に差し掛かる中、アロンソは依然としてF1への情熱を持ち続けているという。

FA: 「最高の車を持たないことには慣れている。25年間でそれを手にしたのは一度だけだ。トヨタ時代のWECでのことだ。それ以外は、最高の車を持たずに戦ってきた。」
FA: 「このキャリアの一部分を楽しんでいる。まだ速さを感じるし、モチベーションも高い。すぐにエイドリアン・ニューウェイやエンリコ・カルディーレ、アンディ・カウエルのような人々と一緒に仕事をすることになるだろう。彼らはこれまで戦ってきた相手だが、これからは一緒に働き、学ぶことができる。」
FA: 「人生とキャリアの中で素晴らしい時期だ。」


次なる挑戦に向けて

アロンソは、厳しい状況にあっても自分を高め続け、挑戦を楽しむ姿勢を崩さない。43歳のレジェンドは、2024年の困難を糧に、2025年に向けてさらなる飛躍を誓う。F1キャリアの「最後の章」を戦うアロンソの姿は、ファンに新たな感動を与えるだろう。