ウイリアムズのアレックス・アルボンは、イタリアGPまでの16戦中11戦で入賞、チャンピオンシップでアントネッリを超えて7位に食い込んだ。彼の前にはトップチームの6人しかいない。3回のリタイヤを除くと、ポイントを逃したレースはわずか2戦、その他は全て入賞している。長らく低迷してきた名門チームの牽引役として定着し、十分な結果を出し続けている。

アルボンは、モンツァでも7位でフィニッシュし、5戦連続ポイントを積み上げた。堅実なタイヤマネジメントと判断の速さが、今季の彼を語るうえでのキーワードになっている。

イタリアGPではハードでのロングスティントから逆襲に転じ、終盤は巧みなアンダーカットでボルトレトの前へ。さらにロッジアで冷静にアントネッリを仕留め、必要なポイントをもぎ取った。危うさのない堅実なレース運び、中団の混戦で際立っている。

今季は開幕から8戦中7戦で入賞という立ち上がり。浮き沈みの波を小さく抑えることで、前向きな循環を生み出している。アルボン自身も「土曜が多少苦しくても日曜に取り返せる」手応えを語る。アルボンの活躍は、チャンピオンシップ18位で苦しむサインツのプレッシャーになりつつあるだろう。

2020年、アルボンは表彰台2回・入賞12回でレッドブルのシートを追われた時もチャンピオンシップ7位だった。今となってはレッドブルの見識を疑うような判断だが、今季とは状況が違うということだろうか。