
アレクサンダー・アルボンがP15からP5へ――今季屈指のスタートだった。オーバーテイクが難しいとされるこのトラックで、アルボンは抜群の発進から混雑の1コーナーとバンクの3コーナーを切り裂き、オープニングラップだけで一気に隊列の前方へ。
「僕らは素晴らしいスタートで、1コーナーで2台、3コーナーでも2台抜いて、すぐにポイント圏に入ったんだ」
「夏休み明けで皆ちょっと興奮していたのか、皆がクラッシュした。少し運もあったけど、ペースも良かった。純粋にレースペースでP5を掴んだ。とても満足だ」
事実、ウィリアムズの公式レポートもアルボンが計10台をパスしたことを強調している。スタートでの瞬発力に加え、再開の度に乱戦を巧みに回避し、前方の混乱で空いた隙間を狙う冷静さが光った。結果は今季4度目の5位。チームに10ポイントをもたらし、コンストラクターズ5位争いでの体勢を立て直す一撃になった。
この日のアルボンは、速さとリスク管理のバランスが完璧だった。戦略は当初ワンストップ想定で退屈な展開になりかねなかったが、強い出足でポジションを先取りしたことが全てを変えた。雨は霧雨になりかけた程度、セーフティカーの恩恵も限定的。それでもミスなく周回を重ね、最後はメルセデス勢の背中を視界に捉えたままフィニッシュした。
「もし今日P5を落としていたら順位争いは厳しくなっていた。モンツァは僕らに合うはず。勢いをつなげたい」とアルボンはコメントしている。