
アレックス・アルボンが、レッドブルで苦戦する角田裕毅に対し、定期的に連絡を取り助言していることを明かした。アルボンは2019年シーズン途中にトロロッソからレッドブルへ昇格し、シートを失った経験を経て現在に至る。自身の体験を踏まえ、角田の置かれた状況に強い共感を示している。
「僕はそれに共感しているんだ。すごくはっきりと見えているよ。いろいろな要素に分かれていると思う。僕がレッドブルにいた時期、F1デビューからわずか6か月であのチームに入った。振り返ってみれば、僕はレッドブルに入った時点で板挟みの状態にいたんだ。快適だとは感じられないクルマで、どうすればそこから抜け出せるのか分からなかったし、そうするだけの経験もなかったからね。」
「僕はそこで苦しんだ。けれど、あの状況から自分を救い出す方法を理解できるほどの経験値も、人間としての成熟も当時は足りていなかった。今なら分かるし、同じ感情も理解できる。僕はユウキとよく話すし、できる限りの形で彼の助けになろうとしている。」
「僕らは素晴らしい関係にあるし、僕はユウキのことが本当に大好きだ。だけど難しいよ。ガレージの反対側には、おそらくF1マシンを運転した中で史上最高と言えるドライバーがいるのだから。
大げさな言い方だって分かっているけれど、本当にそう思っている。彼(フェルスタッペン)は快適ではないクルマでも速く走らせられるし、多くの問題を隠してしまえる。明確にそれをやってのけるドライバーなんだ。」
アルボンは、快適でないマシン特性への適応や“抜け道”を見つけるための経験が不足していた自身の過去を重ね、角田に対してはその学びを言葉にして伝えているという。2026年のシート争いが取り沙汰されるなかで、同じ境遇を通ってきた先輩からの助言は、角田にとって実戦的な羅針盤になっているはずだ。