
金曜日にトラブルに見舞われたウィリアムズのアレクサンダー・アルボンだったが、F1ベルギーGPの週末を見事に立て直した。土曜の予選では5番手を獲得し、日曜決勝では軽めのリアウイングを採用するというギャンブルが功を奏した。
スタートではジョージ・ラッセルにポジションを奪われたものの、その後はラッセルに喰らいつき、長い間ルイス・ハミルトンを背後に従えて走行。低いダウンフォース設定が功を奏し、フェラーリのドライバーを寄せつけなかった。
「すごく満足している。ウェットタイヤでは少し苦戦するだろうとは思っていたんだ」とアルボンは語った。
「シルバーストンでもそうだったけど、今回もそうで、特に高速コーナーではインターで苦しんだ。でも他のマシンのタイヤが劣化し始めると、僕たちは逆に良くなる。インターのスティントでジョージに追いついていったよ。」
「ドライタイヤに変えてからは、かなり長い時間ジョージの1〜2秒後方を走れていたし、良い感じだった。少し離されたけど、全体的に悪くなかった。ビッグチームの1台の前でフィニッシュできたのは強かったし、ルイスを抑えきれるだけのペースもあった。雨が強かったら、ピットレーンスタートのマシンたちはウイングを大幅に立ててきていて、1周で1秒以上の差が出ることもある。」
「だからルイスやキミが後方からすぐに追い上げてくるんじゃないかとちょっと心配だったけど、僕たちは逆の選択をしてウイングを寝かせた。少し不安だったけど、ほとんどがドライだったから助かったよ」とアルボンは振り返った。
また、レース中の最初のピットストップで先陣を切るつもりはなかったと明かし、ポジションを守るために慎重な判断を下していた。
「いや、最初にピットに入りたくなかったんだ。ブレーキングゾーンの真ん中に川のような水の筋がいくつかあって、それを最初に試すのはリスクが大きいと思った。あのポジションにいたからこそ、無理はしたくなかった。」
「タイヤには少し苦しんだけど、実際にはマシンのペースよりも速く走っていたと思う。前の集団についていくためにね。後ろの連中もいたし、なんとか離されたくなかった。自分のペースで走っていたら、終盤のレースペースはもっと良かったかもしれない。運転自体はそこまで難しくなかったよ。」
一方で、アルボンが流れをつかんだのとは対照的に、チームメイトのカルロス・サインツは、スプリントでの成功の後、本戦では何も得られなかった。
予選ではグリップ不足に苦しみ、チームはセットアップが最適でないと判断。パルクフェルメ下で変更を行い、ピットレーンスタートを選択した。サインツは雨を見越して高ダウンフォース仕様を選んだが、それが裏目に出た。
「予選ではセットアップの方向性を誤ったと思う。クルマに異常な挙動が見られて、それが変更の決断につながった。そしてフルウェットになった場合に備えて、リアウイングも立てることができた」とサインツは語った。
「でも、その賭けはうまくいかなかった。」
「予選ではマシンに異常が見られたから、それを検証するためにあえて変更して、ピットスタートを選んだ。もしかしたら雨のレースになるかもしれないという一縷の望みに賭けたけど、結局ウェットは8〜10周しか続かなかった。」
「違うアプローチを試してみた。誰かのタイヤが酷く劣化してくれれば、僕たちが真っ先に…って考えてたけど、その時点でポイント圏外だったし、ピットストップも遅くてポジションをいくつか落とした。そこからはギャンブルするしかなかった」とサインツは悔しさをにじませた。