
アレクサンダー・アルボンは、カルロス・サインツに対して好成績を収めていることについて「自分への証明ではなく、むしろメディアへの証明だ」と語った。またウィリアムズが直面した冷却問題についても言及した。
長らくアルボンは、ウィリアムズで戦ったローガン・サージェントやフランコ・コラピントとの比較で「有利すぎる」と見られてきた。そして彼の真価は、より経験豊富なドライバーと並んでこそ試されるものだと考えられていた。
サインツの加入が発表された瞬間、注目は「アルボンが勝利経験を持つドライバーに太刀打ちできるか」に集まった。しかし、ここまでのところアルボンはその期待を上回り、サインツを圧倒している。14戦を終えてアルボンは54ポイントでランキング8位、サインツは16ポイントで16位に留まっている。
もちろん、サインツは不運続きのシーズン序盤を過ごしてきたが、同時にアルボン自身もパフォーマンスを大きく引き上げている。世界に自分を証明したかと問われると、アルボンは自分のための証明ではなく「見ている人々への証明だ」と答えた。
「そうだね、僕にとってというより、みんなにとっての証明だと思う。僕はずっとウィリアムズで強さを発揮できていたと感じている。レッドブルでの経験から多くを学び、そこから毎年どんどん強くなってきたんだ」
「今年は特に際立ったシーズンになっている。チームが素晴らしい仕事をしてくれて、僕に結果を出せるクルマを与えてくれている。今はすごくいい流れに乗れているし、クルマは予測しやすくて限界で走らせやすい。去年は突然の挙動で壁に突っ込むようなこともあったけど、今はそれがなくなって自信につながっている。その結果、安定していいレースを届けられているんだ」
ただ、ここ数戦ではマシンの冷却問題が発生し、ベルギーGPまで何戦か苦しめられた。ハンガリーはもともとウィリアムズにとって厳しいサーキットだったが、スパで再びポイントを獲得したことでチームに勢いが戻った。
冷却問題はまだ完全には解決していないが、2025年シーズンを大きなトラブルなく戦える程度の修正は施されている。
「間違いなく良い流れをつかめたと思う。ここ数戦は厳しかったから、工場やサーキットで働くみんなにとって大きなエネルギーになった。ライバルが次々にアップグレードを投入するなかで、僕たちが後れを取っていたのは事実だ」
「でも今回の結果で、僕たちのアップグレードが確実に効果を発揮することを示せたし、大きなポイントを獲得できた。もちろん全レースでこの調子とはいかないだろうけど、一度後れを取った状況から盛り返せたのは大きい。スパでは冷却の問題はなかったけど、まだ完全に解決してはいない」
「シルバーストンやスパのようなクラシックサーキット、そして天候も僕たちを助けてくれたと思う。確実に正しい方向に進んでいるし、まだタイムを詰められる余地は残っている。冷却問題をしっかり解決できれば、さらに速くなるはずだ」