
オークスとアルピーヌを巡るこの騒動に新展開があった。イギリス警察は、アルピーヌF1チームの元代表であるオリバー・オークスの弟、ウィリアム・オークスを、犯罪収益の移転(資金洗浄)の容疑で逮捕し拘留が決定したと発表した。ハイテックGPの車両の一部も押収されたとの報道もある。
※ウィリアム・オークスは、兄オリバーと共にハイテックGP(英レーシングチーム)の共同経営者。2022年3月のロシアのウクライナ侵攻とそれに伴う経済制裁を受け、ロシアのオルガルヒ(新興財閥)であるディミトリー・マゼピン(2021年でF1シートを喪失したニキータ・マゼピンの父)が保持していたハイテックGPの株式を放棄し、オークス兄弟が75%以上の株式と議決権を取得していた。
オリバー・オークスは、火曜日の夜にアルピーヌのチーム代表を辞任。その直後、ジャック・ドゥーハンに代わり、フランコ・コラピントが5戦限定の契約で起用されることが発表された。同日、フラビオ・ブリアトーレが声明を発表し、オークスの辞任がドライバー交代と関連しているという報道や憶測を否定していた。
アルピーヌは、ルノー自前のパワーユニット開発を断念を決断した後、チームのハイテックGPへの売却が噂されている。悪名高いフラビオ・ブリアトーレの介入、ニキータ・マゼピンをF1に復帰させたいマゼピン家の思惑と、これらの騒動がどう関連があるのか、今後明らかになるだろう。
こうした混乱の中で、フランコ・コラピントはザントフォールトでアルピーヌのTPC(テスト・プライベート・カー)プログラムに参加している姿が確認されている。