2024年F1シーズンの最後を締めくくるアブダビでのテスト、ウィリアムズのカルロス・サインツがタイムシートのトップに立った。
サインツはフェラーリからウィリアムズへ移籍し、次のシーズンに向けた準備を前倒しする形で、フェラーリからの許可を得てこのテストに参加した。サインツはこの公開テストの前日にウィリアムズ・メルセデスFW46をプロモーションイベントで初試乗し、Pirelli(ピレリ)の「アカデミー」タイヤを使用して200kmを走行した。
サインツ、テストで輝く
今回のテストでは、全10チームが2台の車両を走らせている。1台は2025年仕様のピレリタイヤのテスト用で、もう1台は若手ドライバー用に使用されている。サインツはタイヤテスト車両を担当した。
サインツはテスト開始から1時間以内に1分24秒620のタイムを記録してトップに立った。その後、元チームメイトのシャルル・ルクレールが2時間目に一度はトップを奪ったものの、サインツはすぐに1分24秒345をマークして再び首位を奪還。3位にはマクラーレンのランド・ノリスが続いた。
他チームの注目の動き
今回のテストでは、2025年に新しいチームへ移籍するドライバーたちも新たな環境での初走行を経験した。
ザウバーでは、元ハースのニコ・ヒュルケンベルグと新たにF2チャンピオンに輝いたガブリエル・ボルトレートが走行を開始した。ボルトレートは7位にランクインしたが、ヒュルケンベルグは15位に留まった。
一方、ハースのエステバン・オコンは開始15分間をガレージ内で調整に費やした後、コースインしたものの、最終的には最下位でセッションを終えた。同チームは依然として燃料を多めに積んだ状態での走行を重視しており、オコンと僚車をドライブした平川亮は、共に3秒以上タイム差がある状態だった。
その他の主な結果
レッドブルでは角田裕毅が現行仕様のマシンで初テストを行い、タイムシートで10位にランクイン。僚車を担当したイサック・ハジャーより0.05秒速かった。一方、メルセデスのキミ・アントネッリはF2最終戦での体調不良の影響で午前中のセッションを欠席。代わりにフレデリック・ヴェスティが車両を走らせ、17位のタイムを記録した。
アルピーヌでは2025年のリザーブドライバーに決定したポール・アロンがチームでの初走行を果たし、9位を記録。チームメイトのジャック・ドゥーハンは4位と健闘した。
- カルロス・サインツ(ウィリアムズ) 1分24秒435
- シャルル・ルクレール(フェラーリ) 1分24秒561
- ランド・ノリス(マクラーレン) 1分24秒678
- ジャック・ドゥーハン(アルピーヌ) 1分24秒804
- パト・オワード(マクラーレン) 1分25秒201
- アントニオ・フオコ(フェラーリ) 1分25秒238
- ガブリエル・ボルトレート(フェラーリ) 1分25秒306
- ルーク・ブラウニング(ウィリアムズ) 1分25秒409
- ポール・アロン(アルピーヌ) 1分25秒561
- 角田裕毅(レッドブル) 1分25秒568
- イサック・ハジャー(レッドブル) 1分25秒605
- フェリペ・ドラゴビッチ(アストンマーティン) 1分25秒819
- リアム・ローソン(レッドブル) 1分26秒016
- ジャック・クロフォード(アストンマーティン) 1分26秒066
- 岩佐歩夢(レッドブル) 1分26秒251
- ニコ・ヒュルケンベルグ(ザウバー) 1分26秒351
- フレデリック・ヴェスティ(メルセデス) 1分26秒680
- ジョージ・ラッセル(メルセデス) 1分26秒981
- 平川亮(ハース) 1分27秒526
- エステバン・オコン(ハース) 1分27秒903
このテストでは、各チームが翌シーズンに向けたデータを収集する一方で、新たな顔ぶれのドライバーたちが早速その能力をアピールしている。サインツがウィリアムズで早々にタイムを改善したテストは、今後のシーズンへの期待を高めるものとなった。