
前戦ベルギーGPのスパ・フランコルシャンでは、フェルナンド・アロンソとランス・ストロールはそれぞれ19番手と20番手で予選敗退を喫していたが、ハンガリーGPの予選ではそれぞれ5番手と6番手を獲得する驚異の巻き返しを見せた。
マシンの仕様は基本的に前戦と変わらず、各チームとも小規模なアップグレードしか投入していない状況で、アロンソはポールを獲得したフェラーリのシャルル・ルクレールにわずか0.109秒差まで迫った。ストロールもさらに0.017秒差で続き、チームとしてのパフォーマンスの大幅な改善を証明した。
では、なぜアストンマーチンはこの週末、これほど速さを発揮できたのか。アロンソはその理由がハンガロリンク特有の高ダウンフォース特性にあると語った。スパで露呈したマシンの空気抵抗の大きさが、今回は目立たなかったという。
「正直に言えば、サーキットの特性だと思う」とアロンソはメディアに語った。
「スパから7日しか経っていないし、マシンを大きく変えたわけでもない。今週末に新しいパーツを投入したチームもない。」
「ただ、サーキットのレイアウトと特性が僕たちのマシンに合っているんだと思う。」
「この場所でマシンが“スイートスポット”に入っている理由をちゃんと理解できたら、次のレースでもそれを再現できるかもしれない。それを明確にすることが大事だね。」
アロンソとストロールは、通常なら上位を争うレッドブルのマックス・フェルスタッペンやフェラーリのルイス・ハミルトンの前からスタートする。アロンソはこの順位をキープするのは簡単ではないと予想している。
「スタート順位のまま、5番手と6番手でフィニッシュできたら素晴らしいよ。夏休み前にチームにとって大きなポイントになるから、それがまず最初の目標だ。」
「もしポジションを上げられたら、それもいい。でも後ろにはマックスやルイスのような速いクルマが控えている。簡単にはいかないだろうね。」
アロンソは金曜のフリー走行1回目(FP1)を欠場し、代わりにフェリペ・ドルゴヴィッチがステアリングを握った。これはスパでのレース中に負った軽い筋肉の損傷によるもので、アロンソは休養を優先した。その後のセッションでは復帰し、痛みを抱えながらも走行を続けた。予選後には、走る価値は十分にあったと語った。
「もちろんうれしいよ。クルマが速いときは、テレビで見ている場合じゃないからね!スパだったら、テレビ観戦もありだったかも。でも今回は、走らなきゃもったいない。」
「スパのレースでシートのせいでちょっと身体を痛めてね。筋繊維の断裂みたいなものがあるんだ。明日(日曜)のレースが終わったら、4週間の休みに入るから、少しゆっくりして回復に努めるよ。」
今回、アロンソのAMR25には旧スペックのフロアが装着されていたが、チームが近年導入してきたアップグレードについての不安はないという。
「まったく問題ないよ。僕自身満足しているし、チームも今年投入してきたアップグレードには満足している。」
「イモラのフロア、シルバーストンのフロア、スパで使った新しいフロントウイング……すべてが風洞の予測どおりに性能を発揮してくれた。」
「もちろん、サーキットや速度帯によって相性の良し悪しはある。でもそれぞれの週末で、最速のクルマをコースに送り出せていると思うよ。」