FIA(国際自動車連盟)は、カタールグランプリで下された重要な決定のいくつかについて、その理由を詳細に説明した。このレースではランド・ノリスに10秒のストップ&ゴーペナルティが科されるなど、多数のペナルティが発生し、セーフティカーが3度も導入された。

レース後、特に注目を集めた3つの事象についてさらなる情報が提供された。


なぜウィングミラーが落ちた際にセーフティカーは導入されなかったのか?

57周のレース中、30周目にウィングミラーがメインストレート上に落下したことが確認された。このミラーはウィリアムズのアレックス・アルボンのマシンから外れたものであり、その後バルテリ・ボッタスがこれを踏み、周辺にデブリが散乱する事態となった。

この影響でカルロス・サインツとルイス・ハミルトンがパンクを起こし、両者がピットに戻る羽目になった。その結果、メインストレートのデブリを除去するためにセーフティカーが導入された。

FIAはこの決定について次のように述べている。

「通常、少量のデブリがあり、それがレーシングラインから外れている場合、セーフティカーを導入することはない。

「しかし、車両がミラーを踏んだ後の大規模なデブリと、その直後に発生したパンクがこの決定を強いる要因となった。

「VSC(バーチャルセーフティカー)は、車両が広範囲に散らばったままであるため、マーシャルがデブリを迅速に除去するのに十分な時間を確保できないため、解決策にはならなかった。

「FIAは常に自身の方法とプロセスを見直しており、今回の具体的なケースについてもさらなる分析を行い、今後異なる対応が必要かどうかチームと議論する予定である。」


ノリスに10秒のストップ&ゴーペナルティが科された理由は?

このセーフティカーが導入される前、メインストレートではダブルイエローフラッグが振られていた。この状況下でノリスが減速を怠ったとして調査され、結果として10秒のストップ&ゴーペナルティと、ライセンスに3ポイントのペナルティが科された。

これについてFIAは次のように述べている。

「このペナルティは2024年2月19日にチームに通達されたペナルティガイドラインに基づいている。

「ダブルイエローフラッグ違反は安全を著しく損なうものと見なされるため、このような違反には厳しいペナルティが科される。」


セーフティカーの2度目の出動時にライトに何が起きたのか?

イベント中、セーフティカーが2度目に導入された際、再スタート時にセーフティカーのライトが故障しているように見えた。この件についてFIAは以下のように説明した。

「セーフティカーが2度目に出動した際、ライトが故障した。

「すべてのチームには口頭でセーフティカーがピットに戻る旨が通知されていたため、通常の方法で再スタートが行われた。

「故障の原因は特定され修理されたが、念のため3度目の導入に備え、セーフティカーを交換した。」