
二度の世界ラリー選手権(WRC)王者に輝いたカッレ・ロバンペラが、モータースポーツ界を驚かせる発表を行った。WRCから離れ、トヨタの支援を受けてF1を目指す新プロジェクトを始動するという。
25歳のフィンランド人ロバンペラは、2017年WRCデビュー、2020年からはトヨタ・ガズー・レーシングWRTで走り、2022年と2023年に世界チャンピオンとなっている。ロバンペラは2026年から日本のスーパーフォーミュラに参戦し、シングルシーターへの転向を果たす。これは、彼自身が「新しい夢への旅の第一歩」と語る挑戦だ。
ロバンペラをWRCで起用してきたトヨタは、現在ハースとも提携しており、この新計画を正式に承認している。
「この決断は簡単なものではなかった。でも、しばらくの間ずっと考えていたことなんだ。この年齢でラリーで多くのことを成し遂げた今、僕は他にどんな可能性があるのか、そしてどんな新しい挑戦に立ち向かいたいのかを考え始めたんだ」
フィンランドのテレビ局MTV Urheiluに語ったロバンペラは、このプロジェクトの最終目標についても明確にした。
「もちろん現実的に考えるのは難しいけれど、僕たちはより高いレベルを目指しているんだ」
「このプロジェクトをやる上で、僕が十分に良い結果を出せば、トヨタは最後まで僕を支えてくれる。もしかしたらF1にまで届くかもしれない」
長年ロバンペラを支えてきたマネージャーのティモ・ヨウヒも、この新契約にはF2レベルのテストプログラムが含まれていることを明かし、プロジェクトが明確にF1を見据えていることを強調した。
「僕たちは可能な限りすべての扉を開き、あらゆるチャンスを探るつもりだ」
史上最年少でWRCチャンピオンとなったロバンペラは、今季もタイトル争いの中に身を置いているが、シーズン終了後はシングルシーターへ完全移行する予定だ。WRCで頂点を極めた天才ドライバーが、今度はフォーミュラの世界でどんな物語を紡ぐのか――世界中の注目が集まっている。