角田裕毅は、スパ・フランコルシャンで予選前に新フロアを装着したことで、レッドブルのマシンを使って、よりアグレッシブに攻められるようになったと語った。

今季序盤のイモラでの高速クラッシュ以降、角田はフェルスタッペンに比べて旧仕様のマシンを使用してきた。しかし、ベルギーGPで最新バージョンのフロアが投入されたことで、角田にとって大きな後押しとなり、予選では7番手に入る好成績を収めた。これは、今季レッドブルに昇格してからの自身最高の予選結果。Q3最終アタックの最終セクターの小さなミスがなければ、同じく最終アタックでミスをしたフェルスタッペンを超えたかという勢いを見せた。

予選後に新しいフロアと旧型の違いについて尋ねられた角田は、次のように説明した。

「少しだけど、本当にグリップが増えたんだ。僕とマックスの間にあったラップタイムの差が、どれくらいあったかははっきりしていた。でも、その差がそこまで大きくなかったこともあって、自分自身も、僕のエンジニアリングチームも、求める方向性に向かってしっかり進めていると感じていた。」

「それがちゃんと改善されたことが嬉しいし、とにかく全体的にグリップが上がった。以前の仕様は、どちらかというと凄く繊細だった。一度スライドし始めたら、もう戻ってこなかった。でも今回のは、もっとアグレッシブに攻めても大丈夫なんだ。」

角田のマシンは依然としてフェルスタッペンの仕様とは完全には一致していないが、どのパーツが異なるのかは明かさなかった。

「チームが予選直前にアップグレードを持ってきてくれたのは、本当に素晴らしい仕事だった。」

「それだけでも、こういうポジションに来られた理由としては十分だった。まだ残っている部分もあるけど、フロアだけでもかなり大きかった。フィーリングはかなり良くなったよ。」

「どのパーツかは言えないけど、フロアは手に入った。どの部分かは言えないけど、まだ差はあるんだ。」

レッドブルのチーム代表として初のレース週末を迎えたローラン・メキースは、当初フェルスタッペン用に準備されていたアップグレードパーツを角田に与えるという重要な判断を下した。

角田は今季初夏のイモラで大クラッシュを喫して以降、製造数の限られた最新スペックのパーツ供給で不利な立場に置かれていた。ベルギーGPの週末に入る時点では、角田はシルバーストンで使用した仕様と同じフロアでの走行を想定しており、フェルスタッペンのRB21にのみ新型フロアが装着される予定だった。

しかし、フェルスタッペン用のスペアとして用意されていた新型フロアの2枚目が、予選直前になって角田のマシンに装着された。ただし、フロントウイングは旧仕様のままだった。

角田が今季最高のパフォーマンスを見せたことで、メキースはF1TVに対し、可能な限り多くのアップグレードパッケージを角田に与える判断をしたと語った。リスクは、もしフェルスタッペンが予選でフロアにダメージを負った場合、パルクフェルメ下で仕様変更となり、ピットレーンスタートを強いられる可能性があったことだ。

「ユウキにとって、週末を通してとても大きな前進だった。Q3に進出できたのは良かったと思う。この結果はきっと自信にもつながる。予選直前に彼のマシンをアップグレードしたのは、我々が常に部品の数の限界に挑戦しているからだ。それでも、彼のマシンを強化するリスクを取ることにした。予選で少し遅れてコースインしたのを見たかもしれないが、チーム全員の努力のおかげで価値ある結果になった。間違いなく彼のパフォーマンスを後押しする助けになったと思う」