マクラーレンは、カタールGPでランド・ノリスがイエローフラッグを無視したとして科されたペナルティについて調査を要求した。チーム代表のアンドレア・ステラは、この処分が「具体性も比例性も欠いている」として批判している。

ノリスに科されたのは10秒のストップ&ゴーペナルティで、失格を除けば最も厳しい処分である。この決定により、ノリスは2位争いから脱落し、最終的に10位でレースを終えることになった。この結果、マクラーレンはコンストラクターズ選手権でフェラーリに対して必要とされるポイント差を大きく縮められ、最終戦でのプレッシャーが増す形となった。

ステラは、FIAがこのような判断を下した背景について次のように語った。

「まるで埃をかぶった古い本を引っ張り出してきて、『これにはこう書いてあるから適用しよう』というようなやり方だと思う。」

このコメントは、FIA内部で起きている混乱を暗に批判している。今年はレースディレクターや上級スチュワードが相次いで解任され、直近ではラスベガスGPから新任のルイ・マルケスがレースディレクターを務めている状況だ。

メルセデスのトト・ウォルフもこれに同調し、FIAの判断プロセスに疑念を呈した。

「合理性が勝つべきだが、現状ではそうは見えない。」

FIAは、レース中の判断について説明を求める質問にはまだ答えていない。


ペナルティの背景

ノリスへのペナルティは、ピットストレート上に落ちていたデブリ(アレクサンダー・アルボンのマシンから外れたサイドミラー)に対するイエローフラッグを無視したためである。このデブリは、アルファロメオのバルテリ・ボッタスの車両に衝突して粉々になるまで、少なくとも3周にわたってそのまま放置されていた。

このデブリが原因で、ルイス・ハミルトンとカルロス・サインツの車両がパンクする事態が発生したが、FIAはデブリを処理するためにセーフティカーを即座に導入しなかった。この判断に対し、他のドライバーや関係者も疑問を呈している。

オスカー・ピアストリは次のように述べた。

「適切だったのは、すぐにバーチャルセーフティカーかセーフティカーを導入することだったと思う。デブリの位置が明確にわかるまで、何もできなかった。」

マックス・フェルスタッペンも状況を把握しきれていなかったとし、次のように語った。

「デブリは見えたが、それがミラーだとは思わなかった。他のレースでもライン外にデブリがあることはよくある。」

ステファノ・ドメニカリは、イエローフラッグの無視には10秒のストップ&ゴーペナルティを科すというガイドラインがあると説明したが、ステラはこれについて次のように主張した。

「処分が妥当であることは理解しているが、その適用には具体性と比例性が欠けている。即座に危険があったのか?クラッシュ現場だったのか?これらを踏まえて判断されるべきだった。」