上海スプリントでポール・トゥ・ウィンを果たし、フェラーリ移籍後初勝利を飾り安堵したルイス・ハミルトン。決勝でハミルトンとシャルル・ルクレールは序盤の接触を乗り越え、それぞれ5位と6位でチェッカーフラッグを受けた。しかしフェラーリには予想外の波乱と論争が待っていた。

決勝中、7度のワールドチャンピオンであるハミルトンに対して「道を譲れ」とのチームオーダーが出された場面が放送された。これに対し、フェラーリのチーム代表フレデリック・バスールは怒りを隠さず、F1運営側を公然と非難した。

「これはFOM(F1マネジメント)のジョークだ。あの判断は元々ルイス側からの提案だった。ルイスが、順位を入れ替えるべきだと申し出たのだ。それなのにF1は、物議を醸す場面だけを切り出して放送し、わざと混乱を演出しようとした。」

さらに、レース後の失格処分。FIAの技術委員がハミルトンとルクレールのマシンに「規定違反」を発見した。しかも、それぞれ異なる理由での失格となった。

ルクレールのマシンは「規定重量を下回っていた」。フェラーリは「タイヤの摩耗が激しかったため」と説明したが、この件について、元F1ドライバーのラルフ・シューマッハはドイツSkyで厳しく批判した。

「2キロも足りないのは、一部の部品が外れたせいだけでは説明がつかない。そういうリスクも含めて、最低でも1.5キロの安全マージンを見込むべきだ。運営の過程でそれができていないのは無能さの表れだ」

と厳しく断じた。一方、ハミルトンの失格理由は「フロア下の摩耗が規定を超えていた」ことである。フェラーリ側は「わずかな見積もり違いだった」と弁明した。

「消耗をわずかに誤って判断してしまった。意図的なものではなく、性能上の優位性を得ようとしたわけではない」とフェラーリは公式声明で述べた。しかし、ラルフ・シューマッハはこれにも厳しい姿勢を崩さなかった。

「スプリントのあとであれば、エンジニアがきちんと計算できているべきだ。土曜日は素晴らしい結果を出したのに、日曜日にはマシンが遅くなり、さらには失格になった。こんなレベルでは、世界選手権を獲るなんて到底無理だ。」