日本グランプリ決勝はオーバーテイクや順位変動が少なく、セイフティカーの出動も無く、各車がトレイン状態で周回を重ね、トップ3の以外にエキサイティングなシーンはあまり無かったが、レーシング・ブルズにとってはVCARB02のポテンシャルを引き出せたレースとなり、またイサック・ハジャーの実力を確認出来たという意味でも収穫の多いグランプリとなった。一方で、チームに復帰したリアム・ローソンは、マシンの適応に時間を要し、苦しい週末を過ごした。

決勝後のインタビューエリアでは、キャリア初のF1ポイントを獲得したハジャーの喜びが際立っていた。決勝ではスタート順位をほぼ維持し、フェラーリのハミルトンにのみ先行を許したが、それ以外は「ベスト・オブ・ザ・レスト」の座を掴み取った。

「完璧なレースだった。今年初めて、本当に満足できたと思う。8位が目標だった。ルイスは手の届かない存在だったが、我々のパフォーマンスを最大限に引き出し、この結果を正当に手に入れることができた。他のドライバーのトラブルに頼る必要はなかった。

こんな週末の後に鈴鹿で初ポイントを取れて、これ以上嬉しいことはない。マシンにとてもフィットしていると感じたし、本当に快適だった。今日はタイヤのデグラデーションもほとんどなく、常に全開で走ることができた。全てを出し切った。」

「最初の3戦を見る限り、我々のマシンはあらゆるコンディション、コーナー、サーキットで良いパフォーマンスを発揮している。テストではあまり良くなかったが、今は自信が持てるようになってきた。」

チーム代表のローラン・メキースもマシンの完成度に応えを感じているようだ。

「ハジャーは才能を証明してみせた。完璧なレース運びだった。我々のマシンは週末を通して強かったし、今後に向けて非常に励みになる。ここからは全チームが開発競争に突入する。我々もこの良いポジションを維持するために懸命に働く必要がある。」
と語った。

また、ローソンについても一定の評価を与えている。

「ローソンは限られた準備時間の中で、レースを通してマシンを学ばなければならなかった。予選ではQ3まであと0.1秒と僅差だった。グリッドが極めて接戦だったこと、また運に恵まれなかった中で順位を上げるのは容易ではなかった。だが、レース距離を完走した今、次戦バーレーンでは必ず前進するはずだ。」