アイザック・ハジャーにとって、オーストラリアGPは忘れがたい苦い思い出となった。デビュー戦となるこのレースで、フォーメーションラップを始めて直ぐに白線に乗りスピン。コントロールを失い、そのままコースアウトしてしまった。マシンを降りたハジャーはヘルメットの中で涙を流し、パドックに戻る途中でルイス・ハミルトンの父、アンソニー・ハミルトンからの励ましを受けた。

「ただただ恥ずかしい。チームには申し訳ない気持ちでいっぱいだ。ほんの一瞬のミスだった。リアが滑りすぎて、コントロールを失った。何とか立て直そうとしたが、もうどうしようもなかった。」

アンソニー・ハミルトンは、息子ルイスのレースを見届けるためにフェラーリのガレージに居たが、そこから飛び出してパドック裏でハジャーに声をかけた。

「それを見た時、彼(ハジャー)のことを思うと胸が張り裂けそうだった。彼だけでなく、彼の両親も、ここまで来るために懸命に努力してきた彼らの全てを思うと胸が張り裂けそうだった。

そして、彼のことをひどく気の毒に思った。私はただ、『なあ、この子に言ってやらなきゃ。頭を高く上げて、堂々と歩け。君はきっと戻って来ることが出来るよ』と思ったんです。

彼は本当に素晴らしいドライバーだと思う。今週末に見た以上に、イサックにはもっと活躍できると思う。」

ハジャーはアンソニー・ハミルトンに声を掛けられたことに触れ、コメントしている。

「あの時は、『頭を上げて、自分自身を向上し続けるんだ。昨日(予選)は良くやった。良い感じだった。(Keep my head high and improve myself, that I did well yesterday. Nice stuff.)』と言ってくれた。

彼が僕のことを知っていて、僕がどんな気持ちでいるか知っていて、最悪の瞬間に私に会いに来てくれたことは、とても意味のあることだ。彼は素晴らしい人だと思う。本当に感謝している。」

この出来事に落ち込むハジャーを、F1のCEOステファノ・ドメニカリも励ましたという。

「彼が僕の最悪の瞬間を理解して、わざわざ会いに来てくれたことが本当に嬉しい。」

レッドブルのヘルムート・マルコは「泣くなんてちょっと恥ずかしい」と厳しいコメントをしたが、クリスチャン・ホーナーは「デビュー戦での出来事としては辛すぎるが、彼の走りにはポジティブな面も多かった」と擁護した。

角田裕毅、ポイント圏内走行も痛恨のピット戦略ミス

Visa Cash App RBにとって厳しい週末は続いた。角田裕毅は各車ピットストップ時に一時2位を走行するような位置にいながらも、雨のタイミングとピットストップの判断が裏目に出てしまい、ポイント圏外へと転落した。

「ピットインのタイミングが悪かった。ちょうど僕が走行していた時には雨が降っていなかったので、次の周にあんなに強くなるとは思わなかった。」
「本当に悔しい。ここまで強いレースをしていただけに、チームとしても悔やまれるところだ。」

ホーナーも角田の走りを評価しつつ、「戦略のミスがなければ大きなポイントを持ち帰れたはずだった」と語った。チームは次戦中国GPでの巻き返しを誓っている。