
2024年のグリッドには1人の新人もいなかったが、2025年には6人ものドライバーがフルタイムでF1デビューを果たす。これはグリッドの30%にも相当する。
この6人のうち3人はすでにF1のレースを経験済みだ。マックス・フェルスタッペンの新たなチームメイトとしてレッドブル・レーシングに加入したリアム・ローソン(11戦出場)、1戦のみ経験しているジャック・ドゥーハン、そしてフェラーリの支援を受けるハースの新星オリバー・ベアマン(3戦出場)である。
ベアマンについて、元F1ドライバーのラルフ・シューマッハはこう語る。
「ベアマンはトップドライバーであり、(エステバン)オコンにとって厄介な存在になるだろう。」
イギリス人のベアマンはわずか19歳だが、さらに若いのがメルセデスでルイス・ハミルトンの後継者となるキミ・アントネッリだ。シューマッハは彼の才能を高く評価する一方で、課題も指摘する。
「アントネッリは素晴らしいスピードを持っているが、抑えることを学ばなければならない。」
シューマッハが言及したのは、昨年モンツァでのフリー走行中に起こしたクラッシュだ。しかし、彼には頼もしい後ろ盾がいる。
「だが、彼にはトト・ウォルフがいる。彼は強力なメンターとして支え続けるだろう。」
一方で、ドゥーハンは厳しい状況に置かれている。彼は2025年、アルピーヌのシートを掴んだものの、フラビオ・ブリアトーレが新たに契約したフランコ・コラピントをF1に昇格させることを狙っていると言われている。
シューマッハもその厳しい現実を指摘する。
「ドゥーハンは難しい立場にある。結果を出さなければ、ブリアトーレからの保証はない。成績が伴わなければ、彼は交代させられるだろう。」
残る2人のルーキーは、レーシング・ブルズのイザック・ハジャー(20歳)と、昨年のF2チャンピオンであり、F3も制した実績を持つガブリエル・ボルトレート(20歳)だ。ボルトレートについて、シューマッハはこう分析する。
「彼はF3とF2で大きな成功を収めてきたが、ザウバーでは苦戦するだろう。彼が最もテストの機会が少なく、予選でニコ・ヒュルケンベルグと対峙するのは非常に厳しい。焦りすぎてはならない。」
最後に、ハジャーについては評価が難しいとした上で、このように語った。
「彼は評価が難しいドライバーだ。卓越したコントロール技術を持ち、オーバーテイクに強いスーパーレーサーだが、同時に熱くなりやすい。まだ多くを学ぶ必要があるが、素晴らしいチームに支えられている。角田裕毅にとっては、厄介なライバルになるだろう。」