元マルシアF1チームのスポーティングディレクターであるグレアム・ロードンが、ゼネラルモーターズ(GM)のF1プロジェクトのチーム代表に就任することが発表された。このプロジェクトは、2026年からF1に参戦予定のGM/Cadillacが新たに発足させるものである。

2023年11月25日、F1はGM/Cadillacを2026年の11番目のチームとして迎えるため、合意に達したことを発表した。声明によると、GMは「運用上の重要なマイルストーンを達成し、F1参戦への明確なコミットメントを示した」としており、将来的にはエンジンサプライヤーとしても参入する予定である。

「F1は、この申請プロセスを進めていくことを嬉しく思う」と声明に記されている。

今回チーム代表に就任することとなったロードンは、かつてマノー・マルシアでスポーティングディレクターを務め、2015年を最後にF1の現場から離れていた。直近では、中国初のフルタイムF1ドライバー、周冠宇のマネジメントに携わるほか、GMプロジェクトのエグゼクティブアドバイザーとして活動していた。

グレアム・ロードンのコメント:
「このエキサイティングな新チームのチーム代表に任命されたことを本当に光栄に思う。このような機会を与えてくれたすべての関係者に感謝したい。F1は世界最高のチームスポーツであり、チームとは人そのものだ。このチームは、レースを愛し、挑戦する情熱を持つ集団であり、私たちにはそのための経験と専門知識がある。
レースは私たちのすべての中心にあり、これこそが私がチームに求めるものだ。この一員になれることを本当に楽しみにしている。これから先の挑戦を軽視しているわけではない。競争に対する深い敬意を持っており、その上でこの挑戦を楽しみにしている。一方で、今はプロジェクトを加速させるための作業を続けている。」

TWGグローバルのモータースポーツ部門CEOであるダン・タウリスもロードンの就任を歓迎した。

ダン・タウリスのコメント:
「グレアムは過去2年間、我々のチームにアドバイスを提供し、オペレーションの構築に貢献してくれた。彼のF1やその他モータースポーツでの技術的・管理的な経験は、キャデラックF1チームの構築において大いに役立つだろう。」

また、GM社長のマーク・ロイスも次のように述べている。

マーク・ロイスのコメント:
「過去2年間、グレアムと共に仕事をすることは本当に楽しかった。彼がチーム代表として2026年のF1参戦を率いてくれることに興奮している。彼は素晴らしいレースの専門知識を持ち、高パフォーマンスなチームを編成する方法を熟知している。キャデラックF1チームが内外で体現する価値を象徴する人物だ。」

ロードンはF1参戦に必要な経験を持つだけでなく、広範なモータースポーツ業界との人脈を活かし、GMのF1プロジェクトを成功に導く重要な役割を担うことになる。このプロジェクトはすでに280人以上のスタッフを抱え、元ルノーの技術ディレクター、ニック・チェスター氏や運用責任者ロブ・ホワイト氏も参加している。

ロードンは過去に、2010年に設立されたヴァージン・レーシング(後のマルシア)でチームのスポーティングディレクターおよび社長を務め、財政問題で揺れたチームを復活させるなど、手腕を発揮してきた。今回のGMプロジェクトで再びその能力を発揮することが期待されている。