国際自動車連盟(FIA)は15日、次期会長選挙の候補者としてモハメド・ビン・スライエム現会長のみが資格を得たと発表した。これにより、同氏の無投票再選が現実味を帯びた。選挙は12月に実施予定だ。
今回の単独候補化の背景には、会長候補が地域配分を満たす副会長らの「プレジデンシャル・リスト」を期限までに組成しなければならないという選挙規程の厳格さがあるとされる。対立候補の擁立を目指した陣営は必要条件を満たせず、立候補に至らなかった。
一方で、選挙手続きの公正性を巡る法的争いも続く。出馬を模索していたローラ・ヴィラーズ氏は、FIAの選挙過程に異議を唱え、仏パリの裁判所で12月3日に判断が示される見通しだ。判断次第では選挙日程や候補者構成に影響を及ぼす可能性がある。
ビン・スライエム氏は2021年に就任し、F1を含む四輪モータースポーツの統括にあたってきた。今回の発表は、ここ数週間にわたり「現職が無競争で再選に向かう」との見立てを報じてきた欧州メディアの観測を事実上裏づける内容となった。

