
FIAは、2025年からモナコグランプリを強制2ストップレースとすることを正式に発表した。この新ルールは天候に関係なく適用され、モナコGPのレース展開を活性化することが目的とされている。
現行のF1レギュレーションでは、ドライコンディション時には2種類のタイヤコンパウンドを使用する必要があるため、少なくとも1回のピットストップが義務付けられている。
しかし、ウェットレースの場合はこのルールが適用されず、ドライバーが1セットのタイヤでレースを完走することも可能だった。実際、2020年のトルコGPでは、多くのドライバーが1セットのインターミディエイトタイヤでほぼ全レースを走り切った例もある。
だが、2025年以降のモナコGPではこの戦略が不可能となる。新たに承認された「モナコGP専用レギュレーション」 により、ウェット・ドライを問わず最低3セットのタイヤを使用することが義務付けられた。これにより、ドライバーは必ず2回のピットストップを行わなければならない。
ドライコンディションではこれまで通り異なる2種類のコンパウンドを使用しなければならないが、さらにピットストップが2回必須となることで、戦略の幅が広がることになる。
この変更は、「このレースのスポーティング・スペクタクルを向上させることを主目的とする」として、FIAの世界モータースポーツ評議会(WMSC)によって承認された。
モナコGPにはすでに独自のルールが存在しており、通常のF1レースが305kmのレース距離であるのに対し、モナコは260kmと短縮されている。これは、市街地コース特有の狭さと低速性によるものだ。この新ルールについて、マックス・フェルスタッペンは次のように語っている。
「これが劇的な変化をもたらすかどうかは分からないが、別に構わない。1ストップだろうが、2ストップだろうが、25ストップだろうが、決められたルールに従うだけだ。モナコはとにかくオーバーテイクが難しいコースだ。しかも、クルマが大きくなればなるほど、さらに難しくなる。」
「2016年あたりは、まだ少しチャンスがあった気がする。でも今はそれもなくなった。2ストップ制が助けになるのかは分からないが、とにかく試してみるしかない。」