
Stake F1 Team Kick Sauber

2025年前半のキック・ザウバーF1チームは、イギリスGP終了時点でニコ・ヒュルケンベルグ37点+ガブリエル・ボルトレート4点の計41点を積み上げ、コンストラクターズ6位へ躍進した。2023年(アルファロメオ)の16点9位、2024年の4点最下位から見れば、3年越しの大幅な回復だ。
経験値と伸びしろの対照的なペアが光る。ヒュルケンベルグは開幕戦7位で勢いをつけ、スペインで5位、シルバーストンで3位表彰台を獲得しチームを牽引した。ボルトレトは序盤苦戦したが、オーストリアで8位に入り初ポイントを獲得、以降のレースでもヒュルケンベルグと互角の予選成績を刻み始めている。
マシンC45はフェラーリ製PUを搭載し、低速コーナーでのトラクションとタイヤマネジメントが強みだ。一方で空力効率に課題が残り、ドラッグが大きくストレートでの最高速不足が見られる。信頼性は上向きだが、気温の高いレースでオーバーヒートしやすい傾向も続く。
ポイント獲得は開幕戦オーストラリアから計5戦。スペインで投入した新フロアとリアサスペンションの改良が奏功し、後半に入るほど決勝ペースが安定した。ピット作業のミスで失った得点もあり、運用面の改善余地は大きい。
後半戦はベルギーで軽量ギアボックス、イタリアで新リアウイングを投入予定だ。空力抵抗の低減と加速性能向上が狙いで、ヒュルケンベルグの堅実さとボルトレトの成長曲線が噛み合えば、ウィリアムズを射程に捉える可能性は十分。シーズン70点超、ランキング5位争いが現実的なターゲットとなるだろう。
