2025年のドライバーズ選手権は、最終戦アブダビでランド・ノリスが初タイトルを獲得した。最終ポイントはノリス423、フェルスタッペン421、ピアストリ410と、上位3人がわずか13点差に収まる歴史的な接戦だった。
シーズン中盤まではピアストリが主導権を握り、シンガポール時点でノリスに対して20点超のリードを維持していたが、終盤戦でノリスが巻き返し、最大34点あった差をひっくり返した。
一方フェルスタッペンは序盤の取りこぼしで出遅れたものの、年間最多の8勝と終盤10戦連続表彰台でタイトル争いに食らいつき、最終戦勝利で2点差まで迫った。
4位以下では、ラッセルが安定感で単独4位を確保し、レクレールとハミルトンはマシンの波に振り回され5位・6位止まり。新人アントネッリが7位まで順位を押し上げたのに対し、角田裕毅はレッドブル昇格後の結果を積み上げ切れず、最終的にストロールと同ポイントの17位という厳しい位置に沈んだ。

コンストラクターズ選手権は、マクラーレンが833点で圧勝し2年連続タイトル。ノリスとピアストリがいずれも400点超という高得点を記録し、他チームを寄せつけなかった。
シーズンを通じて「2台とも必ず上位でポイントを持ち帰る」パターンが確立され、大きな取りこぼしは起きなかった。シンガポール時点で事実上タイトルを決め、以後はドライバーズ争いに集中する贅沢な状況だった。
2位メルセデスは序盤こそ中団寄りだったが、ラッセルとアントネッリのコンビがアップデートに噛み合い始めてから一気に得点を伸ばし、最終的に469点で浮上。
対照的にレッドブルは、フェルスタッペン一人でポイントを稼ぐ展開が続き、角田の苦戦も重なり451点の3位に終わった。かつての無双状態からは明確に後退している。フェラーリは単発の上位入賞は多いが取りこぼしが多く、398点で4位。中団では、ウィリアムズが137点で“ベスト・オブ・ザ・レスト”を確保し、レーシング・ブルズ、アストン、ハース、ザウバー、アルピーヌが僅差で続く形となった。