2025年シーズン後半、レッドブルは前半戦の失速から持ち直し、シーズン後半に優勝争いに再び絡むパフォーマンスを取り戻した。しかし、その過程でチーム内部にはこれまでと異なる空気の変化が生まれていると欧州メディアは指摘している。
この変化は、何かと発言の多いヘルムート・マルコのコメントにも表れている。これまで強硬な発言で知られたチームの顧問は、最近のインタビューで「われわれは結果だけでなく、チーム全体の雰囲気と長期的なプロジェクトを見なければならない」と語り、これまでの短期的な成果至上主義に寄ったスタンスからの変化をにじませた。
また、マックス・フェルスタッペンのレースエンジニアを務めるジャンピエロ・ランビアーゼの感情的な振る舞いも話題となった。無線で声を詰まらせながら、「今日のチームの働きを誇りに思う。誰も諦めなかった」と語り、長いシーズンを戦い抜いたクルーへの共感を示した。このやり取りは、フェルスタッペンがのタイトルを逃した悔しさのみではなく、チーム混乱の年を終えた複雑な感情をにじませるものだった。
昇格と降格に翻弄されたセルジオ・ペレス、リアム・ローソン、角田裕毅といったドライバーたち、クリスチャン・ホーナー代表の解雇、昨年から続く主要スタッフの離脱・・・迷いと混乱を極めながらも、ローラン・メキースの加入効果か、フェルスタッペンがチャンピオン争いに加わったのは驚異的ともいえる結果だったが、今後組織をどう継続運営していくのか、内部では多くの議論が重ねられたことだろう。
一方でチームの将来像をめぐる不透明感は消えていない。2026年に向けた新規定と自社PUプロジェクトで多くの不確定要素を抱えるからだ。パフォーマンスを立て直した今季後半は、来季に繋がる強さになるか。2026年3月、開幕戦でのレッドブルのポジションに注目が集まる。

