フェラーリで苦戦が続くルイス・ハミルトンが、カタールGP後に「チームに渡すべき改善メモが山ほどある」と明かした。今季のフェラーリは昨年と比べて速さも一貫性も欠き、上位争いからは事実上脱落している。
ハミルトンはマシンの弱点が単一ではなく「ストレート、コーナリング、タイヤマネジメントなど、あらゆる領域で少しずつ負けている」と指摘し、レース週末ごとに細かい改善項目を書き留めているという。これはメルセデス時代から続く習慣であり、セットアップ傾向や空力バランス、ピット作業の手順に至るまで、チームに突き付ける「宿題リスト」となっている。
ただし、これらのメモが即座に結果に結びつくわけではない。開発リソースとコストには限りがあり、ライバルも同時に前進しているからだ。それでもハミルトンは、2026年の新レギュレーション導入までを見据えた長期戦として、今年の痛いシーズンを「欠点をあぶり出す作業」と位置づける。
フェラーリがこの膨大な改善メモをどこまで消化できるかで、ハミルトン移籍の意味が問われる。もし的確に反映できなければ、名門チームは再び「過去の栄光にすがるだけのチーム」に逆戻りする。ハミルトンが投げたボールは、すでにマラネロ側の手の中にある。

