2025年のF1世界選手権ドライバーズタイトルは、最終戦アブダビGPへともつれ込むことになった。カタールまでの激戦を終え、ポイントリーダーのランド・ノリスと追うマックス・フェルスタッペンの差はわずか12点。ここ数戦の流れを踏まえても、決着の行方は依然として読めない状況だ。
前提として、残りは最終戦1レースのみで、獲得可能な最大ポイントは「優勝25点+ファステストラップ1点=26点」。現状はノリス408点、フェルスタッペン396点(−12)、ピアストリ392点(−16)という状況だ。
ノリス(408点)
自力タイトル:最終戦で3位以上なら、他の結果に関わらずタイトル決定。
4位の場合:フェルスタッペンが優勝しない限りタイトル決定。
5位の場合:フェルスタッペンが2位以下なら、タイトル決定。
6位以下の場合:フェルスタッペン優勝、あるいは上位入賞次第で逆転される可能性が出る。
特にノリスが6位以下+ピアストリ優勝(ファステストラップ次第)では、ピアストリにも逆転の目が生じる。
フェルスタッペン(396点)
優勝の場合:ノリスが4位以下であれば、逆転タイトル決定。
2位の場合:ノリスが7位以下もしくはノーポイント、かつピアストリが3位以下、ファステストラップもノリス側に渡らない、と限定的な条件で逆転の可能性あり。
3位、4位の場合:ノリスがほぼノーポイント、ピアストリも上位を逃す極端な展開ならタイトルの目がわずかに残る。
ピアストリ(392点)
優勝の場合:ノリスが6位以下(場合によっては7位以下)、フェルスタッペンが2位以下にとどまる展開で逆転の可能性が生じる。
2位の場合:ノリスがノーポイントかごくわずかなポイント(9〜10位以下)、フェルスタッペンが4位以下といった非常に厳しい条件が必要になる。
舞台となるヤス・マリーナ・サーキットは、中高速コーナーと長いストレートを併せ持つレイアウトで、パワーユニット性能とドラッグ削減のバランスが鍵となる。予選で前に出たマシンが有利である一方、ピット戦略やセーフティカー導入が展開を大きく揺さぶることも多い。両陣営とも、予選の一周と決勝のタイヤマネジメントを見据えた綿密な準備が求められる。
長いシーズンを戦い抜いた二人が、最終戦でようやく決着を迎える今季のタイトル争い。1ポイントの判断ミスが王座を手繰り寄せるか、取り逃がすかを左右する。アブダビのナイトレースは、現代F1を象徴する僅差でのタイトル決戦の舞台となる。

