カタールでのスプリント予選で、オスカー・ピアストリがポールポジションを獲得した瞬間、歓喜一色のガレージを予想して中継映像がスイッチされたが、ピアストリの母国オーストラリアのメディアが注目し公開した映像には、(おそらくはノリス側ガレージの)ピットクルー達が厳しい表情でモニターを見つめ、歓声にも拍手にも加わらない様子が映し出されていた。ノリスは3位に入ったものの、”ガレージの反対側”に負けた事に落胆するクルーたちの表情が露出してしまった。チームが表向き強調する「一丸となった戦い」とは温度差のある光景だった。

映像が拡散されると、ファンの間で「チーム内に亀裂があるのではないか」という憶測が一気に高まった。ドライバー同士の力関係、エンジニアリング体制をめぐる見えない綱引き——どのチームにも存在する緊張がカメラの前で露呈した。好結果そのものは疑いようのないものでも、それを心から喜べないスタッフがいるという事実は、シーズン終盤のチームマネジメントに重い宿題を突きつける。
ガレージの空気は複雑だ。1台の成功がもう1台の不満を生み、短期的な成績と長期的な序列づくりが衝突する。今回の映像は、好調チームであっても内側では微妙なバランスの上に成り立っていることを示す象徴的な一コマだった。

