Formula 1の注目を集めていたGPDAとFIAの協議がカタールでついに行われ、ドライバー側はあらためて物議を醸してきた「ドライビングガイドライン」の撤廃を求め、専門家による常設スチュワード体制への移行を強く訴えた。
今季は判定の不一致や理解しがたい裁定が続き、多くのドライバーが「今のスチュワードは実戦の文脈を分かっていない」と公の場で疑問を呈してきた経緯がある。
GPDAディレクターのカルロス・サインツは、そもそも現在のガイドラインが必要なのかと問われ、率直に答えた。
「GPDAとしてではなく、僕個人として話すけれど、最近レース後にカルン・チャンドック、ジョリオン・パーマー、アンソニー・デビッドソンの分析を見るたびに、彼らは本当に良い仕事をしていると感じる。責任の所在を正しく示すし、ときには“これはレーシングインシデントだ”とはっきり言う。」
サインツは、彼らの理解度こそ、ドライバーが求めるスチュワード像に近いと語った。
「僕の理想は、ガイドラインに縛られず、彼らのように状況を正確に判断できる人たちが裁定を下すことだ。放送席の分析を見ていると、深く踏み込んだ視点や使う言葉の選び方、背景知識、どれもレベルが高い。ああいう“スチュワード的な視点”は圧倒的だ。」
サインツは現行のスチュワードを批判する意図はないとしつつ、判断する側の専門性と一貫性が欠かせないと強調した。
「今のスチュワードの仕事が悪いということじゃない。僕がレース後の分析を見て感じるのは、専門家が示す判断レベルが非常に高いということだ。ガイドラインがなければ、偏りなく正確な判定を下せるはずだ。」
ガイドライン自体の必要性については「分からない」としながらも、経験ある元ドライバーが裁定に関わるべきだという点は、ドライバーの総意に近いと断言した。
今回の会合では、チャンドック、パーマー、デビッドソンの3名が、GPDAが理想とするスチュワード像の具体例としてFIAに名指しで示されたとされる。

