ラスベガスGP決勝で角田裕毅は12位フィニッシュに終わった。ポイント圏目前まで迫りながらも届かず、レース後コメント集のなかでチームからの評価は「厳しい戦いを強いられた一日だった」というものに集約される。
週末を通じてマシンのポテンシャルは高かったが、その流れを断ち切ったのは予選のタイヤ空気圧ミスだった。極端に低いグリップに悩まされQ1で敗退、19番手スタートに追い込まれたうえ、決勝はセッティング変更によりピットレーンスタートになった。
決勝ではミディアムからハードへの早めのストップでアンダーカットを狙ったが、タイヤライフを読み違え二度目のピットインを余儀なくされる。結果として戦略は中途半端になり、渋滞する中団グループの後ろに再度合流して多くの時間を費やし、ポイント圏への扉は最後まで開かなかった。
角田自身は週末を振り返り、「セッションを通じてほとんどグリップがなく、氷の上を走っているようだった」と予選を総括しつつ、それでも与えられた状況の中で出来ることはやり切ったと強調している。チーム加入後でも指折りの好ペースを感じていただけに、結果に結びつかなかった悔しさは大きい。
レッドブル側はタイヤ空気圧の設定ミスを「大きな誤り」と認め、ローレン・メキース代表が公に謝罪した。好調なリズムを維持していた角田から、上位グリッドとポイント獲得のチャンスを奪ってしまったという認識はチーム内で共有されている。
タイトル争いの渦中にあるフェルスタッペンを後方から支える役割を果たせなかった事実もまた重い。ラップタイムとポテンシャルの片鱗は確かに示したが、最終結果は12位ノーポイントという厳しい現実だった。角田にとってラスベガスは数字がついてこない、もどかしい週末となった。

