ラスベガスGP予選で角田裕毅は19番手に沈んだ。この要因はチーム側のタイヤ空気圧設定ミスだった。角田は走行中、終始グリップが得られず「路面が完全な氷の上みたいでホイールスピンしていた」と説明した。後に空気圧が規定から大きく外れていたと判明したことで、異常なグリップ不足の理由が裏付けられた。残り3戦で実力を見せなければならない最重要な局面でまたしてもチームのミスが発生し、フリー走行から好調だった角田裕毅のラスベガスGPは殆ど最後列からのスタートと、苦しい展開となった。
角田裕毅「セッションを通して全くグリップがなかった。まるで氷の上を走っているようで、ホイールスピンばかりだっただ。明らかにおかしくて、タイヤセットに何が起きているのか分からなかったし、本当に奇妙な感触だった。前回エクストリームウェットを使った時はこんな感触ではなかったし、すごく速かったのに、今回は周りより3秒も遅かった。正直理解できなかっただ。明らかに正常ではなく、適切に機能していないと感じていた。いまは空気圧が大きく外れていたことが分かって、それがQ1を通して起きていた問題の理由になっている。それでも状況の中で出来る限りのことをした。厳しいし残念だ。予選まで週末を通して素晴らしいペースがあったし、チームに加入して以来でも最高レベルの速さだったと思う。明日はレースで何かを掴みに行くしかない。」

チーム代表ローラン・メキースも責任を明確にした。「角田に関しては我々の責任だ。タイヤ圧で大きな間違いを犯し、競争力を発揮する機会を奪ってしまった。チームとして謝罪する」と述べ、設定の誤りが角田のパフォーマンスを根本から崩したことを認めた。週末を通して角田は好調で、本人も「予選までは週末ずっと素晴らしいペースで、加入以来ベストと言っていい速さだった」と強調しただけに、痛手は大きい。とはいえ角田は「状況の中でできることは全部やった。明日はレースで何かを持ち帰らないといけない」と前を向いた。
ローラン・メキース「今日もマックスは非常に強力な予選を見せた。しかも極めて難しいコンディションでだ。Q1とQ2の豪雨の中でも正しいリズムを掴み、Q3で少し路面が回復した段階ではインターミディエイトでしっかり力を示した。ポール争いに加わる位置まで持っていきながら、最後は逃したが、フロントロウは我々のマシンの速さを示す大きな成果だ。2番手スタートは明日への大きな武器になる。
一方のユウキについては、完全に我々の責任だ。タイヤ空気圧で大きなミスを犯し、競争力をほとんど失う設定のまま走らせてしまった。我々は彼に謝らなければならない。こうしたことは起きてはいけないが、現実に起きてしまった以上、最大限学び、より強く戻るしかない。彼は週末を通して非常に良いリズムに乗っていたので、そのチャンスを奪ってしまったのは本当に痛い。明日は興味深いレースになるはずだ。」

