マクラーレンは17日、2度の世界王者ミカ・ハッキネンの娘である14歳のエラ・ハッキネンを、同チームのドライバー育成プログラムに加えたと発表した。エラはヨーロッパ各地のカートレースで勝利と表彰台を重ねてきた新鋭で、マクラーレンのジュニア枠では最年少ドライバーとなる。
マクラーレンは近年、女性ドライバー育成に注力しており、F1アカデミーへの参戦体制も拡大してきた。すでに同シリーズに参戦しているエラ・ロイドに加え、2025年英国KZ2カート選手権のランキング2位となったエラ・スティーブンスを2026年のF1アカデミーに起用することが決まっている。今回のエラ・ハッキネン加入により、育成プログラムには「エラ」が3人並ぶ異例の布陣となった。
父ミカ・ハッキネンは、1998年と1999年にマクラーレンでF1ワールドチャンピオンを獲得した「フライング・フィン」であり、その娘が同じチームの育成プログラムに迎え入れられたことは、象徴的な一歩と言える。ミカはすでに地元メディアに対し、娘の才能を高く評価し、将来的にF1に到達し得るポテンシャルがあると語っている。

F1ではこれまでに出走経験を持つ女性ドライバーがごく少数に限られ、最後のフル参戦は1970年代までさかのぼる。エラ・ハッキネンのような10代半ばの段階から体系的な支援を受けるケースは稀であり、マクラーレンの今回の決断は、将来のF1グリッドに女性ドライバーを送り込むための長期的な布石と位置づけられる。

