ビールブランドのハイネケンが、F1とのグローバルパートナーシップを複数年契約で更新した。2016年から続く提携は新たな段階に入り、タイトルスポンサー権の拡大とファン向け施策の強化が柱となる。

新契約の下でハイネケンは、2027年からサンパウロGPのタイトルスポンサーに復帰するほか、新設のマドリードGPや伝統のシルバーストン、さらに中国GPとラスベガスGPでもタイトルパートナーを務める。これにより、ヨーロッパからアジア、北米まで主要ラウンドでのプレゼンスを一段と高める狙いだ。

象徴的な取り組みが「世界初のF1シーズンチケット」の導入だ。カーボンファイバー製カード1枚で、2026年シーズンの全24戦に同伴者1名とともにアクセスでき、移動と宿泊費も含まれる“夢のパス”となっている。初代保持者には、2025年に自費で全戦を追いかけた英国人スーパー・ファン、ブランダン・バージェス氏が選ばれ、翌年以降はキャンペーンを通じて一般ファンにもチャンスが開かれる。

ハイネケンはこのほか、F1公式の屋内エンターテインメント施設「F1アーケード」との連携や、ファン投票やSNS連動企画を通じて、サーキット外でもF1体験を広げる方針だ。アルコールゼロの「Heineken 0.0」を軸に、レースの高揚感と飲酒マナーの両立を訴えるブランド戦略も継続される。