WRC二冠王者のカッレ・ロバンペラが、スペイン南部ヘレスでF2マシンの初公式テストを完了した。チームはハイテックで、数週間前に宣言した「シングルシーター挑戦」の実戦的第一歩となった。これまでレッドブルのイベントでフォーミュラを走らせた経験はあったが、今回は純粋にパフォーマンスを見据えた本格テストだった。

ラップタイムは非公表ながら、関係者筋は「想定のベースラインを上回った」と評価する。ロバンペラはシミュレーターでの準備を経て臨み、SNSでは「初のF2テスト完了。貴重な走行時間で、ようやく“本物”の感触が得られた。来週はラリージャパンだ」と手応えを示した。

今後は2026年にKCMGからスーパーフォーミュラへ参戦し、並行してF2での走行を重ねて2027年のレースシーズン入りを目指す計画だ。スーパーライセンスポイントを積み上げ、20代後半でのF1到達の可能性も視野に入れる。トヨタ・ガズーレーシングの長期契約支援は継続される見込みで、カテゴリ転向という大胆な決断を後押しする。

本人はフィンランドのMTV3に対し「自分はゼロからのスタートだ。最初は“やられる”覚悟ができているし、それでいい」と語り、「白紙から学べる挑戦が楽しみだ」と前向きだ。元F1ドライバーのミカ・サロは「ラリーからフォーミュラは別世界で非常に大きな挑戦だ」と驚きを示しつつ、その大胆さに注目している。

ロバンペラは今季WRCで3勝を挙げ、残る日本とサウジの2戦しだいでは4年で3度目の王座も射程に入る。