角田裕毅の将来を巡り、レッドブル陣営の要人が“キー・ミーティング”を行ったことが明らかになった。欧州メディアの報道によれば、ヘルムート・マルコやロラン・メキースらが角田のパフォーマンスと起用方針について協議したことを認めたという。今季の苦戦を踏まえた短期・中期の選択肢をテーブルに載せたという。チーム内外の思惑が錯綜するなか、キャリアの分岐点に立つ角田の次の一手が、シーズン終盤の焦点へと浮上してきた。

今季の角田は波が大きく、入賞を重ねた序盤から一転、サマーブレイク前後には無得点の連鎖も経験した。レッドブルはタイトル争いの渦中にあり、開発優先の姿勢が強いがゆえに、セカンドカーの得点最適化という現実的なテーマが突きつけられている。そこで今回のミーティングは、残り数戦での立て直しと、来季以降の座組みを同時に見据える重要局面だったとみられる。

一方で、2026年にホンダ製PUを受け入れるアストンマーティン周辺では、リザーブ体制の空白が話題となり、角田の名が取り沙汰されている。フェリペ・ドラゴヴィッチのFEフル参戦決定により、同チームのバックアップ枠に変化が生じる可能性が浮上したからだ。ホンダの支援を受けてきた角田にとって、これは「アストンマーティン・ホンダ」をドライブするチャンスへの架け橋となり得るシナリオであり、噂は日に日に熱を帯びている。

もっとも、パドック内には角田の資質を高く評価する声も根強い。レーシング・ブルズを率いるアラン・パーメインは、角田のスピードや仕事がトップドライバーの基準に照らしても遜色ないと述べ、潜在力への信頼を強調した。期待と結果、その間に横たわるギャップを埋めるのは、残る数戦の走りになる。