欧州メディアやパドックの空気感は、2026年のレッドブル二人目の座にアイザック・ハジャーが有力という方向へ傾きつつある。多くのメディアは「角田裕毅が残りの数戦で巻き返しを示せるか」が焦点だとし、とりわけ直近数レースを審判の場と位置づける。

角田自身へのプレッシャーが高まるなか、バクーでは「今は一戦一戦が決定的だ」と語り、結果で示すしかないと強調した。レッドブルのマシンが扱い難いことは決定的な不運だったが、「優勝マシン」に乗ってしまったからには結果が求められる。一方のハジャーは、昇格報道を否定しつつ「何もサインはしていない」と冷静だ。

チーム側の公式トーンとして、ローラン・メキース代表は「シーズン中の入れ替えは行わない」と明言し、2026年ラインアップ決定も拙速にしない方針を繰り返している。

角田裕毅は、アルピーヌの候補リストに載っているといわれる。他にリザーブの選択肢もあり得るが、そのほかで現実的な落としどころは、レーシングブルズ復帰だろうか。チームの位置付けを厳格に守るなら復帰は難しいかもしれないが、2026年レギュレーションへの対応、ルーキー起用のリスクを考慮すると、レーシングブルズで4年過ごした角田の再起用は悪い選択肢ではない。

一方、角田裕毅が次の数戦で、予選・決勝の双方で明快な上振れを示せば、ハジャー昇格ムードに待ったをかけられる。ハジャーの台頭と角田の反発力、プレッシャー――天秤はまだ固まっていない。