角田裕毅はオーストラリアGPで「レーシング・ブルズは大量のポイントを獲得するに値した」と感じていた。しかし、レース終盤の戦略を誤り、ライバルたちが予想外のポイントを手にする一方でノーポイントに終わった。

日曜のレース終盤、43周目まで角田の週末は順調だった。フリー走行から好調を維持し、予選では5番手を獲得。決勝ではスタート直後にシャルル・ルクレールに抜かれたものの、レース中のほとんどを6位で闘っていた。

しかし、突然の雨が流れを変えた。コース上が滑りやすくなる中、マクラーレン勢は早めにピットへ入りインターミディエイトタイヤに交換。レーシング・ブルズは、雨が弱まる可能性に賭け、角田を数周ステイアウトさせる決断を下した。

結果的にこれが裏目に出た。ハーフウェットの路面が数周で乾く可能性に賭けたがそうはならなかった。角田はスリックタイヤのまま走行を続け、一時は2位に浮上したものの、濡れた路面で大幅にタイムを失い、ピットイン後はポイント圏外へと転落してしまった。

「天候の変化に追従しない戦略」を選択してドライバーが泣かされるレースを見せられるのは珍しいことではないが、どうもRBはこういった事態に安易に陥ってしまうケースが多い。

「車の感触や自分のパフォーマンスを考えれば、ポイントに値する走りだったと感じている。自分にできることはすべてやったが、天候のタイミングが味方せず、セーフティカー明けにコースへ戻ったときにはP11になってしまった。運が向かなかったのは残念だ。」

「理想的ではないが、今回の週末から多くのポジティブな要素を得られた。我々には十分なペースがあり、パフォーマンスを最大限に引き出せれば良い結果を残せる。これからもこの調子で戦い、次戦では必ず巻き返したい。」

レーシング・ブルズは角田裕毅の力走を台無しにしただけではない。恐らくはシーズンに渡って熾烈なランキング争いをすることになる中団のライバル達に大量のポイントを獲得させてしまった。ウィリアムズが10ポイント、アストンマーティンが8ポイント、キック・ザウバーが6ポイント。彼らはスタート前に予想もしていなかったボーナスになっただろう。RBがこのポイント差を巻き返すのに、どれだけの速さと運が必要になるか。この初戦の痛手は後々効いてくるかもしれない。