
F1エミリア・ロマーニャGPは角田裕毅にとっては厳しい展開となった。Q1での激しいクラッシュにより、日曜日の決勝はピットレーンからのスタートを強いられた。決勝ではバーチャル・セーフティカーとセーフティカーの導入、ステイアウトをジャッジしたレッドブルの戦略に助けられ、終盤アロンソのプレッシャーを受けながらも順位を守りきった。
マイアミでハジャーに追われたレースに続いて、またしてもレースペースで追い上げられる展開となったが、角田はメカニックたちの深夜の作業に報いる結果が出せたことに満足していた。
「チームは良いステップを踏んでくれたと思う。僕自身は、予選で大きなミスをしてしまったことに本当にフラストレーションを感じている。でも、少なくともチームに何かを返せたのは良かった。特にあれだけの作業量で、パドックに泊まり込んでくれたスタッフには本当に感謝している。何も得られないよりはマシだった。ただ、僕自身にとっては、あのミスは許されるものじゃなかった」
「もう前に進んではいるけど、頭の中にはまだ何かが残っている感じだ。もちろん気持ちは切り替えたけど、そうでなければポイントなんて取れなかったと思う。でもあのクラッシュは、自信を取り戻す上でまったく助けにならなかった。僕はまだ学んでいる途中で、このクラッシュで、自分がまだクルマのことをちゃんと理解できていないと実感した。クラッシュの瞬間は、今でもすべてを覚えている」
「ステアの動きから全部、本当に予想外だった。あんな挙動は初めてだった。時には一歩引いて、自信を段階的に築くことも必要だと思う。こういう環境では、つい攻めすぎて、自分に過度なプレッシャーをかけてしまう。もう一度自分を見直す必要があると思っている。レースで少しずつ自信を取り戻せたのは嬉しかった」
「進歩は確実にしているけど、まだまだ改善の余地は大きい。FP1の時点から僕のマシンには古いパーツが付いていた。最初は、マックスと同じパッケージだと思っていたんだけどね。正直、全てのパーツがどうなっていたかは把握していない。P6が可能だったかどうかは…正直わからない。でも、すべてが上手くいけば可能性はあったと思う。FP2のペースは悪くなかったし、マックスにかなり近づけていたからね」
「FP3は少し混乱していて、判断が難しいけど、FP2は良かった。リアのデグラデーションにはかなり苦しんだけど、そこからは良いステップを踏めたと思う。正直言うと、予選のセットアップは初めて試したものだった。かなり大きな変更だった」
「でも実際には、レース用のセットアップはあまり変えなかった。レースではかなり良かったと思う。
チームとしても、僕自身としても、将来に向けて何かを学べたと思う。」
チーム代表のクリスチャン・ホーナーも、角田の奮闘を高く評価した。ピットレーンスタートからポイント獲得を果たしたその姿勢と集中力に称賛を送った。
「あれは大きなクラッシュだったけど、最も重要だったのは彼が無事だったということだ。そして、今日のレースでは本当に攻めていた。ハードに、そしてクリーンに戦っていたよ。
あの混戦の中でピットレーンからスタートしてポイント圏内に入ったんだから、戦略も彼にとって上手く機能したし、素晴らしい走りだったと思う」
「あれは見た目にも嫌なクラッシュだった。重要なのは、そこからどう立ち直るか。そして今日、彼は見事に立て直した。最後はフェルナンドからかなりのプレッシャーを受けていたけど、ミスは一切なく、幾つか良いオーバーテイクも見せてくれた」
