メキシコシティの高地で行われた決勝後、角田裕毅は表情を険しくしてピットを後にした。レース序盤は堅実にポジションを守り入賞圏が見えていたが、肝心の局面で噛み合わなかった。「簡単なポイントを逃した」。角田は自らの走りとチームの判断を総括し、悔しさを隠さなかった。
今回のレースはタイヤのウインドウ管理とトラフィックの捌き方が鍵だった。チームは中盤のタイヤ交換で12秒間停止する失態を犯した、復帰後に入るポジションについても情報伝達が不十分で、同じミディアムタイヤスタートのボルトレートに先行された。
バーチャルセーフティカーの局面でも、運が背を向けた。理想のタイミングは叶わず、追っていたライバルに利をもたらす展開になった。角田の周回はクリーンだったが、細かなロスが積み重なり、気づけばポイント圏の背中が遠のいていた。タイヤ交換のミスなどがなければ4~6位を狙えたレースだった。
「僕たちにはチャンスがあった。なのに自分の仕事をやり切れず、結果に結びつけられなかったのが悔しい。次は同じミスをしない」
