アゼルバイジャンGP予選で角田裕毅が6番手。2025年のレッドブル昇格後ベストのグリッドを手にした(今季ベストはRBをドライブしたオーストラリアGPでの5位)。しかし、当人は「もっと行けた」と複雑な心境を明かした。強風と度重なる赤旗に揺さぶられた難条件のなか、最終アタックで細かなロスが残ったと自己分析。それでも今季トップ勢とのギャップを着実に詰めた内容で、決勝に向けては「ポイント以上」を見据える。

一方で角田の胸中には、自身のシートを守る個人的な闘いが続く。シーズン中盤以降は結果の波と適応課題に直面しつつも、「戦い続けるしかない」と語り、パフォーマンスで将来を切り拓く覚悟を繰り返し示してきた。レッドブルグループ内の競争や次世代ドライバーの台頭が取り沙汰されるなか、直近の上向きは重要なシグナルだ。今回のP6は、その決意と取り組みが実を結び始めた証とも言える。

決勝はロングランの安定性とタイヤマネジメントが鍵。フリー走行でロングランが良かったと言われているだけに期待が集まる。混乱必至のバクーで冷静な貪欲さを保てれば、自己最高位更新(自己最高位は4位)と、シート確保へ向けた強いメッセージになるはずだ。