2024年のF1ワールドチャンピオン、マックス・フェルスタッペンがラスベガスで4度目のタイトルを決めた後、彼の長年のレースエンジニアであるジャンピエロ・ランビアーゼが、フェルスタッペンの成長と強さについて語った。
レース中の感情、しかし裏にある冷静さ
フェルスタッペンは、レース中に自身の感情を隠さないことで知られている。車の挙動や戦略、時にはペナルティへの不満など、多岐にわたる話題でランビアーゼと無線で議論する場面はファンにとってお馴染みだ。しかし、その一方で、2人の間には心温まる瞬間も多い。ラスベガスでワールドチャンピオンの栄光を掴んだ際も、真っ先に祝福したのはランビアーゼであった。
「今年は2021年に似ている部分が多かった。時折、かなり緊張感が高まることもあった」とランビアーゼはSky Sports F1に語った。
「もちろん、シーズン序盤のリードが盤石だったこともあったが、彼はさらに一歩先に進んだ。皆さんにとっては信じがたいことかもしれないがね。」
「彼の努力と尊敬が鍵だった」
ランビアーゼは、フェルスタッペンがチームメンバーと密に連携し、同僚ドライバーへのリスペクトも示し始めた点を称賛した。
「彼がオフィス(ガレージ)で僕たちと一緒に取り組んでいる努力は素晴らしい。そして、彼が他のドライバーに示している尊敬――もちろん、彼がそうしなければならないわけではないし、たまにしか見られないものだが――それでも僕たちにとっては大きい。彼が毎週末、すべてを勝ち取らなければならないというわけではない。その姿勢を見て、彼を本当に誇りに思う。」
「無線だけが彼ではない」ランビアーゼが語るフェルスタッペンの真価
フェルスタッペンとランビアーゼは、2016年にフェルスタッペンがレッドブルに昇格して以来のコンビで、2025年も共に歩む予定だ。ランビアーゼは2024年にHead of Racingに昇進したが、無線で聞こえる言葉はフェルスタッペンの一部でしかないと語る。
「それがポイントだ。彼とコース外で話している時、放送で聞こえる彼は、本当の彼そのものではない。それはあくまでレース中のアドレナリンによるものだ。彼には大胆な一面もあるが、耳に入るすべての情報を吸収する。それこそが彼の真の強さだ。どんな場面でも、彼が正しい判断をしてくれると信頼できる。」
ホーナーも称賛するチームとの強い絆
レッドブルのチーム代表であるクリスチャン・ホーナーも、フェルスタッペンとランビアーゼの強固な関係が2024年の成功を支えたと評価した。特に、シーズンを通じて常に最速のマシンがあったわけではない状況で、2人の安定したパートナーシップが重要であったと述べた。
「GP(ランビアーゼ)と彼のエンジニアチームにも敬意を表したい。彼らは今年素晴らしい仕事をした。多くの困難があったが、毎週努力を続けた結果、フェルスタッペンもガレージ、チーム、そして工場からのサポートなしではこの成功を成し得なかっただろう。」
「GPも時折批判を受けることがあるが、彼もまた応酬する。そして、そのドライバーとエンジニア、チームの間の関係こそが、このような成果を達成するための鍵なのだ。」