RBの角田裕毅、F1カタールGPでの無線通信中の聞き間違いが話題となった。角田はトラック上に「ビーバー」がいると勘違いしていたという。

カタールGPはアレクサンダー・アルボンのウィリアムズから30周目にミラーが外れる事態が発端となり、ドラマチックに展開が変化した。そのミラーをバルテリ・ボッタスが踏み潰し、デブリが飛び散ったことでセーフティカーが導入された。

しかし、レース後に角田が明かしたところによると、全く別の問題がトラック上での混乱の原因であると誤解していたという。

「ミラーだったんですか?僕はビーバーだと聞き間違えていました」と角田はレース後、選ばれたメディアに語った。
「エンジニアが『そこにビーバーがいる』って言ったんです。でも、中東にビーバーがいるなんておかしいですよね。どうしてビーバーが中東にいるんだって。でもまあ、地球温暖化の影響で地球上で色々と不思議なことが起きているのかもと思いました。」

※ビーバーの生息地は、北米と北欧、東欧、中欧、シベリアの一部。河川や湖・池・沼などの周囲にある湿原に生息する。

この「ビーバー」騒動が解決した後も、角田はカタールGPにおける別の問題について言及した。彼が指摘したのは、コース上に残されたミラーの破片を巡る対応についてである。

レースコントロールは当初、状況をダブルイエローフラッグで管理しようとしたが、これがマクラーレンのランド・ノリスを困らせ、10秒間のストップ&ゴーペナルティが科された。一方で、角田は複数のドライバーがイエローフラッグを無視していたと考えており、公平性の観点からこの問題を見直すべきだと主張した。

「ダブルイエローが出ていたのに、後ろではそれを無視しているマシンもいました」と角田は語った。
「次回のドライバーブリーフィングでその点を見直さないといけません。一部のドライバーがルールを守り、一部のドライバーが守らないのは非常に不公平です。」

レース自体に関しては、角田のRBはペースが不足しており、苦戦を強いられた。チームはコンストラクターズ選手権6位を目指してハースやアルピーヌと争っているが、角田はチェッカーフラッグを受ける頃には13位に後退した。

「スタートは良かったですし、P9につけていました。セーフティカー後にアロンソをオーバーテイクすることもできました」と角田は振り返った。
「でも、これほどペースが悪いのは初めてです。タイヤを管理する余裕すらなく、とにかく全力を尽くしました。通常カタールでは後ろのマシンがオーバーテイクするのは難しいのに、今回は他のマシンが僕を簡単に抜いていきました。単にペースが足りなかった、それもほんの少しではありません。」

チームメイトのリアム・ローソンが14位でフィニッシュした結果、レッドブルは46ポイントでランキング8位にとどまり、ハースに8ポイント、アルピーヌに13ポイントの差をつけられている。