イザック・ハジャーは、ブラジルGPを8位で終えたものの、自身としては満足できる結果ではなかった。一方、チームメイトのリアム・ローソンが7位に入り、チームにとっては貴重なダブル入賞となった。この結果は、コンストラクターズランキング6位の座を守る上で大きな意味を持つものだった。

ハジャーは一時4位を走行していたが、ラッセルに抜かれ、その後のピットストップの遅れでベアマンにも先行を許した。さらにストロールの後方で渋滞にはまり、ガスリーとポジションを争う展開となった。一時はガスリーに抜かれたが、再び順位を取り戻した。

終盤には1ストップ戦略を採ったローソンとヒュルケンベルグに迫り、ヒュルケンベルグを抜いて8位に浮上。さらに7位のローソンも射程圏に捉えたが、チームの指示で順位を維持することとなった。リアルタイムの中継には映らなかったが、ターン1で両者はホイール同士を接触させていた。外側にいたハジャーの左リアと、内側のローソンの右フロントがヒットした。

ハジャーには「ポジションをキープせよ」という指示が何度も出され、最終ラップでその通りに従った。チームとしての成果には満足しながらも、彼はレース自体には納得していなかった。

「レースはあまり良くなかった。最初のスティントの戦略がうまくいかなかったんだ」とハジャーは語った。
「そこで少しタイムを失って、挽回しようとしたけど、ペースがそれほど良くなかった。だからP8というのは良くない結果だ。チームとしては良かったけどね。日曜としては多くのポイントを取れたし、6位争いの助けになる。でも僕にとっては良い日じゃない。サーキット自体はすごくいいんだけど」

「正直言って、レース中はすごく楽しかった。たくさんオーバーテイクもあったし、防御もあった。とても勉強になったし、楽しいレースだったけど、努力に見合うだけのポイントが取れなかった」と彼は続けた。

レース後、ハジャーは無線でも不満を漏らしていた。エンジニアが「最初のスティントのミスは“ツールの設定ミス”だった」と説明すると、ハジャーはそれを皮肉っぽく繰り返し、エンジニアも「言い訳のしようがない」と同意するやり取りがあった。

しかしパルクフェルメでは両者の間に緊張感はなく、ハジャーはすぐにローソンのもとへ歩み寄り、二人とも和やかに会話を交わしていた。ローソンも接触を気にしていない様子だった。


ローソンは52周に及ぶミディアムタイヤでの走行を完遂し、見事な1ストップ戦略をやり遂げた。序盤にはラッセルとの接近戦も演じた。

「とても厳しくて、すごく長いスティントだった」とローソンは語った。
「正直、最初からそうする予定じゃなかったんだ。レース中にそう決めたんだけど、本当に大変だった。特にセカンドグループで走っていると、ピットストップのたびに不利になる。最初のピットストップで1つポジションを落としていたし、2回目をやっていたらもっと落としていたと思う。だからこの戦略のほうが理にかなっていた」

「第2スティントの序盤はタイヤをいたわらないといけなかったし、ペースを上げすぎないように気をつけていた。でもうまくいったよ。今日は十分なスピードがあったと思う。問題は、僕がセカンドカーだったことで、どうしても不利になってしまう点だ」

「2ストップだったら、どちらのピットでも前に入られてポジションを失っていたはずだ。最初のピットでガスリーに抜かれたけど、2回目でも同じことが起きていたと思う。だから僕らは速さを活かす方法を見つける必要があった。1ストップは確かにギリギリで、最速のやり方ではなかったけど、トラックポジションを取れて、前に残るには十分だった」とローソンは続けた。

彼は最終盤、背後から7台ものマシンに追われる緊張の中で走り切った。

「本当にストレスがすごかった。後ろを見ながらエネルギーを管理して、タイヤもケアしないといけなかった。ここはすごくデリケートなんだ。とにかく必死の戦いだった」とローソンは語った。

「ハジャーとの件だけど、彼は抜きにかかってきたんだ。あのコーナーは入口がカーブしてるから、ブレーキング前に前に出ようとしたんだと思う。少し読み違えたんだろうね。でもお互いにそのまま走り切れたし、問題はなかった。レースの最終ラップだよ。誰もがポジションをかけて戦う瞬間なんだ。だからチームだって、誰だって“抜くな”とは言えないと思う。そういうものなんだ」

「結果的に何事もなかったし、チームにとって最高の週末になった」とローソンは締めくくった。

この結果、RBは合計10ポイントを獲得。チームとして確かな前進を遂げたレースとなった。