レッドブルのアドバイザー、ヘルムート・マルコ氏は、低迷するセルジオ・ペレスの後任候補として角田裕毅を「軽視していない」(Red Bull not overlooking Tsunoda)と明言した。
カタールGPのスプリント予選では、マックス・フェルスタッペンが6位に食い込み、一方でペレスはその10ポジション下に沈んだ。ペレスは一部、シャルル・ルクレールとの接触が原因だと主張している。
チーム代表クリスチャン・ホーナーは次のように語った。
「シャルルとの間で何が起きたのか正確には分からない。残念ながら、チェコ(ペレス)は車の力を最大限に引き出せず、SQ2に進むことができなかった。
チェコは今、良い結果が本当に必要だ。モナコ以降、彼のシーズンは非常に厳しいものとなっている。」
カタールGP木曜の段階でも、34歳のペレスは2025年までの契約を盾に「2025年もフェルスタッペンのチームメイトとして残る」と主張していた。
しかし、マルコ氏はここ数日間、アブダビGP後に開催される会議でペレスの将来が決定されるだろうと発言している。
他チームの動向とペレスの代役候補
マクラーレンのランド・ノリスは、フェルスタッペンが競争力のあるチームメイトがいないことで「楽な状況にいる」と述べている。一方、レッドブル側はペレスの苦戦が2024年のコンストラクターズ選手権未勝利に影響を及ぼしたと指摘している。
パドック内では、レッドブルがウィリアムズのフランコ・コラピントの来季のリリース契約を既に結んでいるとの噂もある。しかし、ウィリアムズの代表ジェームス・ヴァウルスはこれを否定し、次のように述べた。
ジェームス・ヴァウルス:
「関心があるのは事実だが、それ以上は現時点で言えることはない。チームは来年のシートをどうするかを決める必要があり、その結果次第でフランコがどこに行くのか、あるいはどこにも行かないのかが分かるだろう。」
コラピントは最近のクラッシュを受け、来季はレッドブルのジュニアチーム(RB)に配置される可能性があるとされている。21歳のアルゼンチン人ドライバー自身も、2025年にはシートがないかもしれないと考えているようだ。
フランコ・コラピント:
「もし来年ステアリングを握れないなら、ただ待つしかない。」
一方で、ペレスの代役候補として最も有力視されているのはリアム・ローソンだ。しかし、ニュージーランド出身のローソンでさえ、ジュニアチームでの継続参戦が保証されているわけではない。
リアム・ローソン:
「自分のパフォーマンスは評価されているし、これらのレースが重要になる可能性がある。しかし、来年どこでレースをするのか、あるいはチャンピオンシップに参加するのかすら分からない。
ラスベガスを除けば結果は悪くなかったが、あと2回同じような週末を過ごす余裕はない。」
角田裕毅とホンダの影響
論理的には、経験と進歩を踏まえれば、角田裕毅がペレスの後任として最有力であるべきだ。しかし、ホンダが2026年にアストンマーティンと提携する予定であることが、角田の評価を難しくする要因になっているとされている。カタールGPでの発言では、角田自身、レッドブル・レーシングから「軽視されている」と感じていることを示唆している。これに対し、マルコ氏は次のように語った。
ヘルムート・マルコ:
「我々は決して彼を軽視していない。彼の動向を注視している。ブラジルとラスベガスでは非常に良いレースをしたが、メキシコでは2回クラッシュもしている。
彼は感情を徐々にコントロールできるようになってきている。テニスで言うところの『無理なミス』が今シーズンいくつかあったが、彼は改善している。」
マルコ氏はさらに、ペレスの不調がレッドブルにとって無視できない問題であると強調した。
「1台だけでチャンピオンになることはできない。」
チームの展望とペレスの未来
チーム代表のホーナー氏は、ペレスを支援し続ける姿勢を示している。
クリスチャン・ホーナー:
「我々はチェコを助けようとしている。そして、彼があと2戦で強い結果を出してくれることを本当に願っている。」
2025年に関しては、次のように付け加えた。
「それはチェコ次第だ。彼は我々のドライバーであり、契約も有効だ。来シーズン彼がどうするかをチームと話し合った後でなければ、他のドライバーについて語ることはしない。」