レッドブル・レーシングの技術責任者ピエール・ワシェが、2024年型マシンRB20の開発がチームのパフォーマンス低下を招いた経緯について語った。

2024年シーズン、RB20はシーズン前半の10戦で7勝を挙げ大きなリードを築いた。しかし9月のイタリアGPではフェルスタッペンが「ドライブ不可能」と評したマシンに変貌し、決勝では6位、ペレスは8位に終わった。 その後チームは慎重に改善を図り、ドライバーズタイトルは獲得したものの、相対的なパフォーマンスは徐々に低下していった。

ワシェによると、このパフォーマンス低下の観点には、グラウンドエフェクト・マシンの性能を引き出そうと努力するなかで、この開発努力がいかにして下降スパイラルを引き起こしたか、また一方でマクラーレンがマイアミGP後に大幅なアップグレードを行わなかったことで、それが浮き彫りになったかを語った。

「我々はマシンを開発し、性能を向上させようとした。モンツァでは我々が抱えていた問題が強調され、それが本格的な問題であることに気付いた。解決しなければならない問題だと認識した。」

「チームはその問題を理解して対応し、出来るだけ問題を制限し、オースティンで修正を行うことができた。だが、それまでマシンは不安定な部分が生じて、ドライバーたちはプレスに”バランスが崩れている”とコメントした。これは2023年半ばに導入した空力の問題であり、マシンの開発を進めるにつれてこの問題の範囲は拡大した。問題を認識していなかったわけではなく、マシンが速くなっていくため、これが進むべき方向だった。主な問題は、マシンの特性に十分に焦点を当てていなかったことだった。」

「我々が何かを損なったというよりも、他チームがアドバンテージを得たと言ったほうが正確だったと思う。 特にマクラーレンは、5月のマイアミGPでのアップデートで非常に良い仕事をした。それ以降大規模なアップデートをしなくても、それほどおかしなことではない。彼らは自分たちのコンセプトをうまく最適化することができた。彼らは良い仕事をしたが、その間、我々は別の道を歩んでいた。」