
レッドブルはモンツァで新フロア、シンガポールで新フロントウイングやエンジンカバーの変更を行い、RB21(2025年型)の開発を継続している。当初、2025年マシンのアップデートはあるタイミングで打ち切るといわれていたが、方針変更を行ったとみられる。フェルスタッペンのタイトルチャレンジや短期的な改善目的だけでなく、シミュレーションと実車の相関を2025年のマシンで検証し切ることが、2026年の新レギュ対応車づくりの前提になると判断したためだ。
メキース代表は、「このやり方は2026年のプロジェクトに対するコスト影響を伴う」と認めつつも、コストキャップと空力試験量(ATR)の制約下でも正しいトレードオフだと強調する。裏には、過去18か月で開発体制や方針に乱れがあったとされる背景があといわれており、現行マシンで手法を検証したうえで冬の設計に自信を持ちたいという狙いがあるとみられる。
チーフエンジニアのモナハンは、モンツァのフロアは「押し込むだけの余力を見つけた」うえで投入したと説明。多くのライバルが2026年の研究開発へ早期シフトする中で、レッドブルは当面、現行車開発を延長しながら基盤づくりを優先する戦略を選択している。