
レッドブル新チーム代表のローラン・メキースは、マックス・フェルスタッペンと角田裕毅が駆るRB21について、今後のアップグレードは「最小限」に留まることを明かした。
現在、レッドブルはコンストラクターズ選手権で4位。3位メルセデスとの差は40ポイント以上に広がっている。昨季のようにシーズン序盤でライバルを圧倒し、タイトルを早々に手中に収める展開には至っていない。RB21は手強いマシンであり、フェルスタッペンが2勝を挙げているとはいえ、改善は限定的になりそうだ。メキースはメディアにこう語った。
「シーズンはまだ長い。たとえ開発が大幅に減速し、これからはほぼ最小限にとどまるとしても、我々には学べることがまだ多くある」
その言葉の背景には、ハンガリーGPの失望がある。フェルスタッペンは9位、角田は17位と低迷し、週末を通じて苦戦を強いられた。
ただし、メキースはこの結果がシーズン全体を象徴するものではないと強調する。
「ハンガロリンクのようなサーキットでは僕たちが強くないのは事実だ。マクラーレンが速いのは間違いない。しかしスパでは、マックスが土曜日に戦い、スプリントでみんなを驚かせた。もしハンガリーのような週末から学びを引き出せるなら、もっと良い戦いができるはずだ」
一方で、レッドブルを含む各チームはすでに来季のマシン開発に力を注いでいる。
2026年からは大幅なレギュレーション変更が施行され、パワーユニットは内燃エンジンとハイブリッドエネルギーを50:50で分担する形となる。さらに、グラウンドエフェクトは廃止され、フラットフロアと可動式エアロデバイスが導入される予定だ。
財政規制により開発資源が制限される中、ほとんどのチームは今季を「捨てシーズン」とし、来年の準備に集中している。
レッドブルにとって課題はさらに大きい。フォードと組み、初めてパワーユニット製造に踏み出すからだ。当初はハイブリッドやバッテリー技術の共同開発に限られるとみられていたが、提携範囲は大幅に拡大している。
フォードのモータースポーツ責任者、マーク・ラッシュブルックはMotorsport aktuellにこう語った。
「我々は電動化について学びたかった。バッテリーセルの化学、モーター、インバーター、キャリブレーション、制御、そして燃焼エンジンとの相互作用だ。燃費最適化の方法も学びたかった」
「当初は燃焼エンジンには深く関与しないつもりだった。しかし今では、この分野でも学ぶべきことが多いと分かり、部品生産を中心に協力している。現在はほぼマシン全体、さらにオペレーション面にも関わっている」