シャルル・ルクレールが、アブダビGPの初日で感情的な1日を過ごした。弟アーサー・ルクレールとの歴史的な共演を果たした一方で、食中毒や10グリッド降格のペナルティといった試練に直面し、激動の金曜日となった。
27歳のシャルルは、フリー走行1回目でフェラーリのチームメイトとしてアーサーと並び、F1史上初めて兄弟が同じチームで走行するという記録を打ち立てた。しかし、セッション開始直後にエナジーストアの問題が発生し、出走が遅れる事態に。その後、日曜日のレースで10グリッド降格のペナルティを受けることが確定した。
シャルルは木曜夜に食中毒を患い、体調が優れない中で特別な1日を迎えたことを明かした。
SL: 「昨晩、食中毒になってしまい、一晩中眠れなかった。今はただ眠りたい気分だ。今朝は正直、運転したくないと感じていたが、弟とのFP1は大きなモチベーションだった。それが今日の最大の原動力だった。
今日という日は、弟と共にFP1を走れるという夢が叶った瞬間だ。モナコから家族全員がこのために来てくれたし、非常に感動的だった。ヘルメットを早く被らないと感情がこみ上げてしまいそうだった。」
フェラーリの困難と兄弟の絆
エナジーストアの問題について、シャルルは次のように語った。
SL: 「車をスタートさせた瞬間に問題が発覚し、いろいろなことが頭をよぎった。まず、弟と一緒にこのFP1を走れるのかということ、そしてもちろんコンストラクターズタイトル争いのこともだ。この問題で週末がさらに厳しくなったが、全く落胆はしていない。今夜は少し体調が良くなってきたし、しっかり休んで明日には完全回復していることを願っている。明日は素晴らしい1日にし、日曜日には驚異的な巻き返しをしたい。」
また、チームメイトのカルロス・サインツとの最後の週末でもあり、その感情的な影響についても触れた。
SL: 「感情的に起伏の多い週末になっているもう一つの理由は、カルロスと過ごす最後の週末であることだ。この4年間は素晴らしいもので、最高の形で終えたい。今朝のFP1を一緒に見ていたときは、どちらも少し悲しい気持ちになった。何が起きても最後まで全力を尽くし、この4年間を最高の形で締めくくりたい。」
マクラーレンとの戦い
コンストラクターズランキングでマクラーレンとの差を詰める必要があるフェラーリだが、FP2ではマクラーレンが速さを見せたことについて、シャルルは次のように認めた。
SL: 「残念ながら、マクラーレンの方が速いように見える。現時点では彼らが有利だが、この流れはすぐに変わる可能性がある。すべてに集中し、最後まで諦めないことが大事だ。今日のような問題は仕方ないが、他チームに問題が起きることを願うのではなく、自分たちに集中して日曜には驚異的な回復を目指したい。」
サインツのコメント
FP1を欠場したサインツも、FP2でのパフォーマンスについて冷静な評価を下した。
CS: 「1セッションしかなかったが、正直言って速さを取り戻すことができたので満足している。ソフトタイヤではパフォーマンスを最大限引き出せていないが、夜までに数十分の改善が必要だ。」
マクラーレンに対して2~3テンポの差があると分析し、巻き返しのための調整を進める考えを示した。
CS: 「マクラーレンはこのコースでは常に速い。特にランド(ノリス)はアブダビでの速さが際立っている。今週末も彼らを倒すのは難しい挑戦になりそうだ。」
フェラーリとマクラーレンの熾烈な戦いが展開される中、ルクレール兄弟の特別な瞬間や、サインツとの最後の週末が感情をさらに熱くしている。果たして、フェラーリは日曜のレースでどのような巻き返しを見せるのか、注目が集まる。