「レッドブルの空気感は変わった」──マックス・フェルスタッペンの父ヨスが、チームの雰囲気改善を称えつつ、旧来の指揮系統にチクリと刺した。ヨスは最新の発言で、今季途中に就任したローレン・メキース体制の下で「結束が増し、コミュニケーションも円滑になった」と評価。これは長く対立関係にあったクリスチャン・ホーナー前代表への当てこすりとも受け止められる。

エイドリアン・ニューウェイら要職の離脱で組織再編が続いたレッドブルにとって、トップの求心力と現場の士気は最重要課題だ。親子の周辺から聞こえる安堵のトーンは、開発競争が佳境に入る終盤戦に向け、パフォーマンス面でも好材料になり得る。

背景には、2024年から尾を引いた“ホーナー対ヨス”の確執がある。ヨスは昨季から繰り返し苦言を呈し、チーム内の緊張を公然化。今夏のホーナー解任後も火種は残ったが、メキースの下で「日常の会話が戻った」とする声は少なくない。ヨスの発言は、マックスの残留や来季の技術体制をめぐる思惑が交錯する中での“空気”を映すものだ。内部の雑音をいかに競争力へ転換するか。王者とチームの真価は、ブラジル以降の数戦で明らかになるだろう。