
元F1ドライバーのフアン・パブロ・モントーヤ(F1で7勝、インディ500で2勝)が、フェラーリ内部での緊張を示す噂を明かした。彼によれば、ルイス・ハミルトンがチームの姿勢に疑問を投げかける発言を、激しい雰囲気のミーティングで行ったという。モントーヤは木曜に出演したポッドキャスト番組MontoyASで、こう語った。
「フェラーリのミーティングで緊迫シーンがあったと聞いた。ルイスがチームに対して、”1台で戦いたいのか、それとも2台で戦いたいのか”を、ほぼ直球で問いかけたらしい」
発言がいつの出来事かは明かされなかったが、SF-25の操縦性に苦しみ続けるハミルトンの苛立ちが高まっていることがうかがえる。
ハミルトンの進歩と依然続く「マシンとの格闘」
直近の数戦ではやや上向きの走りを見せていたが、ベルギーとハンガリーで再び苦戦が表面化した。モントーヤは、7度の王者が依然として扱いづらいマシンと戦っていると見る。
「彼の週末は悪くなかった。タイム差も非常に僅差だった。コンマ05秒速ければ全く違う結果になっていたはずだ。3〜4か月前のルイスはコンマ5秒遅れていたが、今はシャルル(ルクレール)からコンマ1秒差だ。ただ問題は、周囲も全員が同じくらい速いということだ」
しかしオンボード映像からは別の現実が見えるという。
「ルイスのマシンは…彼は全く快適ではなく、常に格闘している。フェラーリのマシン特性、セットアップ哲学は、まだシャルル寄りに傾いているように見える」
さらにモントーヤは、ハミルトンがマシン開発により深く関与しなければ、フェラーリの改善は進まないと指摘した。
「前にも言ったが、ルイスが競争力を発揮することができれば、フェラーリはもっと速いクルマになるだろう」
「シャルルは非常に速いが、それはこのマシンを乗りこなせるからだ。クルマがルイス向けにセットアップされ、彼が快適になれば、シャルルの立場は一気に難しくなる。今のところルイスはシャルルをあまり脅かしていないが、これからどうなるかは分からない…」
引退の噂は時期尚早
ハミルトンの苦戦にもかかわらず、モントーヤは40歳の王者が引退するべきとの声を否定した。
「今年ではない。最低でもあと1〜2年はやれる。来年はレギュレーションが大きく変わるから、クルマの特性も違ってくるだろうし、彼がそれを気に入る可能性もある」
ただし、シミュレーターのデータと実際の走行結果が一致しない限り、ハミルトンの苦戦は続く恐れがあると警告した。