
F1モナコグランプリのレースディレクターズノートに、新たな注目ルールが記された。それは、ヌーベルシケインをカットしてポジションを得たドライバーに対し、その位置を返上することを義務づけるというものだ。
このシケインは、モナコ市街地サーキットのターン10および11にあたるセクションであり、トンネルを抜けてからブレーキングを行う場所だ。ここをショートカットして順位を上げた場合、ドライバーは「タバココーナーまでの直線でポジションを返上しなければならない」。さもなければFIAスチュワードによる裁定を受ける可能性がある。
近年のF1マシンは大型化・重量化が進み、この狭くテクニカルな市街地サーキットでは追い抜きが極めて困難となっている。FIAは2025年の開催に向け、レースに戦略的な多様性を加えるための措置として、すでに「各ドライバーは最低2回のピットストップを義務付けられる」ルールを導入している。
そして、レースウィークの開幕直前、レースディレクターはさらなる決断を下した。
「レース中にターン10および11でコースを外れて優位を得た場合、そのポジションはターン12までに返上しなければならない。
ターン12以降に返上した場合は、情状酌量の余地なしとみなされ、スチュワードによる調査対象とされる。
また、ピットインラップ中にターン10および11をカットし、その後のピット作業によって結果的にポジションを得た場合も、『コース外走行による持続的なアドバンテージ』として報告対象となる。」
ルイス・ハミルトンは自身の見解を語った。
「まず、今回用意されているのはソフト寄りのタイヤなんだ。違うことを試すのはいいことだと思う。ずっと同じことを繰り返して、同じ結果になっていたからね。こうして何か新しいことに挑戦するのはクールだと思う。」
「それが正解かどうかは今週末になってみないとわからない。でも、これまでのモナコとは確実に違う展開になるだろう。それが良いかどうか、僕には予測できないけど、こういう変化は歓迎だよ。」
